今年もやってくる「な、なんですかこれは……!?」
2年のとある教室で、そんな声がこだました。いや、そこまで大きな声でもなかったから、こだまするほどでもなかったのだけれど。
声の主は携帯端末を握りしめながらその画面を凝視している。原因はそれなのだろう。彼をよく知らなくともそう予想できてしまう、そんな状態だった。
「つかちゃん忙しい色な〜?」
「えー? 何かあった?」
そんな彼の背中に乗り上げるように、画面を覗き見ようとする影が2つ。そしてそれを理解したのは、その身を橙に染めた彼が先だったようだ。
「ありゃ、ついに司くんも見つけちゃったかぁ」
「えーっと、『絶対せないずと今の王さま付き合ってる。普通ここまであからさまに別のペアにしない』?」
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