ぼくあか妄想「赤葦くんが他の人に目を向けたら木兎さんはどうなるのか」を考えたけど木兎さん以外に目向かないしなぁ……って思ってたんだけど、いや、木兎さんになら向くんじゃないか(!?)と思ったら急に思いついた話
大人木兎さん×高校生赤葦くんを含んでて人によってはNTRに感じると思うのでこの先読むの気をつけてね
ある日突然赤葦くん家のベッドに落ちてくる大人木兎さん。
突然のことにビックリしたし不審者か!?と臨戦態勢になる赤葦くんだけど、大人木兎さんが赤葦くんを見るなり「赤葦ー!!」と満面の笑顔で抱きついてくるのでされるがままになる。
声も見た目も確かに木兎さんだけど、なんだか少し違う気がする。
身長差もある気がするし、何より身体の厚みが全然違う。
大人木兎さんの方も「赤葦ちょっとちっちゃくなった?」って不思議そうにしている。
色々話しているうちに、この木兎さんは大人であるらしいということが分かる。
謎すぎるシチュエーションだけど今考え込んでも仕方ないのでとりあえず置いておくことにした。
大人になっても元気そうにしてる木兎さんを見れて嬉しい赤葦くんだけど、その顔には少し影がある。
大人木兎さんが目敏く気づいて「どうした?」って声をかけてくるけど「なんでもありませんよ」って目を合わせようとしない赤葦くん。
疑わしい目を向けて、隙をついて赤葦くんにキスする大人木兎さん。
目を見開いて固まる赤葦くんに「俺、赤葦のこと大事だから。放っておけないよ」と言う木兎さん。
突然キスされてパニックを起こす赤葦くんだけど、聞くと大人木兎さんは赤葦くんと付き合っているのだそう。元気付けたかったとか。
そうかこれはパラレルワールドというやつなのか…と合点する赤葦くん。
なぜなら、今の赤葦くんはつい最近木兎さんにフられたばかりだから(好きだなその設定!!好き!!)木兎さんと付き合う未来はこの世界にはない。
違う世界の木兎さんならと事の経緯を話し、今は木兎さんの顔を間近に見るのは少し辛いのだと言う。
もちろん、この世界の木兎さんの前では取り繕っているが。
話を聞いた大人木兎さんは「じゃあここに居る間は、俺が赤葦のことめいっぱい愛してもいい?」と聞いてくる。
「あなたの世界の(?)赤葦は良いんですか」
「んー…俺にとっては赤葦は赤葦だから、赤葦は全部大事にしたいんだよね」
木兎さんにめいっぱい愛されてる俺が存在する世界はどこかにはあるんだなという少しの羨ましさと、もうフラれてしまったからこそ少しだけそれを享受させてもらえる奇跡に、身を委ねても良いかなと思った傷心の赤葦くんなのだった。
おあつらえ向きに両親はちょうど海外旅行に1週間出かけている期間だったので大人木兎さんを家に泊まらせてあげる赤葦くん。
大人になってても根本は全然変わっていない木兎さんと過ごすのはやはり楽しかった。
優しく触れてくれる大人木兎さんに次第に絆されていく。
最初はキスだけだったのが身体に触れるようになるけど、赤葦くんが怖がったらすぐにやめてくれる。
大人木兎さんは赤葦が嫌ならしないよって言ってくれたけれど、悩んだあと赤葦くんがそれを引き止める。
大人木兎さんは今ここに居てくれるけれど、きっとこれはそんなに長く続かないということが2人とも分かっている。
その間に自分の気持ちにケリをつけなければいけない。
つまり木兎さんのことをキチンと諦めるということ。
「初めてなんです、こんな気持ちになったのが。だから俺自身女性が好きなのか男性が好きなのか、まだよく分かっていません。それでも、もし男性が好きなのだとしたら、最初に抱かれるのは木兎さんが良いです」
「うん」
「抱いてくれますか…?」
「うん…おいで赤葦」
一瞬痛そうな顔をした大人木兎さんだったけど、赤葦くんのことを優しく抱いてくれるのだった。
ところ変わって木兎さん(現在)視点。
赤葦くんに告白されて突然のことで事態がうまく把握できず咄嗟にフッてしまった。
「えっと…俺そういうのよく分かんなくて…」
ハキハキしている木兎さんにしては珍しく、歯切れの悪い物言いになった。
赤葦くんに告白されて嫌だったわけではない。
ただ考えたことが無さすぎて分からなかったのだ。
しかし、告白されてから赤葦くんを改めて見ると、自分を本当に大事にしてくれていることをアリアリと感じてドキドキするようになる。
この気持ちがなんなのか分からず、赤葦くんが近いとドギマギするので少し避ける形になってしまう。
告白されてから2、3日は赤葦くんが取り繕っているのが分かったけれど、バレーをしているうちに普段通りの関係に戻りつつあった。
このまま、前みたいになれるのかなと思っていた。
ところがある日彼の肩の力がふと抜けていることに気づく。
自分を前にしても特別に緊張しない。
自主練後の帰り道、久しぶりに買い食いしようと赤葦くんを誘ってみたけれど、家路を急いでいるのでと断られる。
(あれ、今赤葦の家って旅行中じゃなかったっけ。そんなに早く帰りたいことあるのかな)
なんとなく動物的勘で赤葦くんのあとをつけると、反対側の道から大きな男が手を振って赤葦くんに近づいてくる。
フードをかぶっていて顔はよく見えないが、190cmくらいはありそうだ。
赤葦くんも気づいて相手に近づいていく。心なしか足が軽い感じがする。
誰あれ?と訝しげに覗き見ていると、大きな男は赤葦くんを抱きとめてそのまま流れるようにキスをした。
突然の光景に固まる木兎さん。
こんな道端で!!!と言わんばかりに引きはがし周りをキョロキョロする赤葦くん。幸い見つかることはなかった。
大男の背中をグイグイ押して家に入る赤葦くん。
今見た赤葦くんが誰かとキスをする姿も、その人と一緒に家に入っていく姿も、全部が衝撃で放心する木兎さんだった。
次の日、朝からモヤモヤとイライラが止まらない木兎さん。
部室で着替えているとき、木葉や古見がひそひそと話をしているのが耳に入る。
なんだか赤葦が艶っぽくなった、色気が増している。何があったんだろうと。
その原因に思い当たることができて余計に苦々しい気持ちになる木兎さん。
俺のこと好きって言ったのに。
そりゃフったのは俺だけど、そんなにすぐ心変わりできるものなの?
今まで告白されて断った子のことなんて次の日には考えもしなかったのに、興味もなかったのに、どうしてもモヤモヤが晴れない木兎さん。
ふと赤葦くんに目をやったとき、見てしまった。
ものすごく際どい足の付け根付近にキスマークがあるのを。
一瞬のことだったので他の人は気づかなかったようだ。
瞬間、完全に理解した。「赤葦を他の人に取られた」「絶対に嫌だ」
その日の木兎さんは怖いくらいに静かだった。
特別しょぼくれている訳ではないので赤葦くんも手の出しようがない。
その夜、木兎さん(現在)が突然赤葦くんの家のインターホンを押した。
世界が違うとはいえ同じ人間が出会うことは良くないことでは?というのと、大人木兎さんと関係を持っていることをなんて説明すればいいのか分からない。
木兎さん(現在)が何の用で来たのか分からないけれど、玄関先で帰ってもらおうと心に決めつつ扉を開ける赤葦くん。
しかし赤葦くんを押しのけて家に入る木兎さん。
止めようとするも、大人木兎さんも自分から出てきてしまった為に邂逅してしまう。
ここら辺がうまく妄想できないんだよな……なんて言えば現在の木兎さんは大人木兎さんから赤葦くんのこと取り返せるんだろう。
まぁ赤葦くんに手出すなって怒る木兎さんに言い返す大人木兎さんのセリフだけはある。
「だってお前が赤葦のことフったんじゃん。俺は赤葦が大好きだよ。だから一緒にいたいし大事にしたい。赤葦はお前のものじゃないよ」
ここで木兎さん(現在)が「俺だって赤葦が好き」って言ったとしてもすぐには信じてもらえないだろうなぁ…。
でも木兎さん(現在)が「嫌だ赤葦、行かないで」って赤葦くんの腕をつかんだら、木兎さんの真意が親愛か恋情かなんて分からなくても赤葦くんは木兎さん(現在)を選ぶよ……。
そしていつの間にか消えている大人木兎さん。
2人してなんの幻を見たのか…とキョトンとしている。
腕を掴んだままだったので赤葦くんと距離が近い。
大人木兎さんとキスしていたことが頭を過ぎる木兎さん。
負けじと赤葦くんにキスしようとしたら気づいた赤葦くんに阻止される。
「は!?なんで!?」
「えっ、いやそっちこそ。なんでキスしようとするんですか?」
「だから!俺も赤葦が好きって言った!!」
「えぇ……えーと、別に無理しなくていいんですよ?」
「してないし!!アイツ(大人木兎さん)とはしてたのになんで俺はダメなの!?」
(ゲッ、見られてた…)サッと顔が赤くなる赤葦くん。
その顔がかわいくてドキドキするのと、違う人とのキスで顔を赤らめる赤葦くんに嫉妬する木兎さん。
「やだ、上書きする」
「ちょ、待ってください。心の準備が…」
「だめ待たない」
大人木兎さんとのキスも勿論ドキドキしたけれど、木兎さんとのキスは比にならないくらいドキドキして、心臓が壊れるかと思う赤葦くんだった。
最後に大人木兎さん視点。
目が覚めると、目の前には大人赤葦くんの寝顔が。
長い長い夢を見ていたらしい。
やわく微笑んで赤葦くんをぎゅっと抱き込む木兎さん。
その拍子に目を覚ます赤葦くん。
「懐かしい夢を見たよ。高校生の頃の赤葦だった」
「ああ、そういえばあの時の幻、今くらいの木兎さんでしたね」
「幻……幻だったのかなぁ。本当は違うのかも」
「違う?」
「あの時、間違ってフっちゃった赤葦のこと、1人にしなきゃ良かったってずっと後悔してたから。過去まで飛んでっちゃった」
「はは、強いですね」
「あんなに辛そうに諦めようとしてた赤葦のこと知らないでいたなんて」
痛そうに歪む木兎さんの顔をふんわり両手で包む赤葦くん。
「………すごいですね、木兎さんは」
「え?」
「あの時、木兎さんが居てくれて良かったです。あなたは過去の俺まで救ってくれたんですね」
「……俺の事諦めさせなくて良かった。赤葦が今ここにいないなんて考えらんないもん」
「ふふ」
優しく微笑む赤葦くんにたまらなくなって抱きしめる木兎さん。
そのままマウントをとる。
「ちょ…朝からですか?昨日も…」
「やっとお前の全部手に入れた。ハジメテの赤葦も可愛かったな~」
「うわ、まだそれ根に持ってたんですか…」
「当たり前だろ!!俺以外に抱かれたの知った時どれだけ悔しかったか!!!」
(気を遣ってはくれたけどハジメテなのに何回もしたのはそれでか…)
「いえ結局木兎さんに抱かれたことは変わりないのですが…もしや過去に戻ったのはその執念深さのせい……」
「それもある!!赤葦が俺に抱かれる前から自分でしてたことも知っちゃった」
「うわぁ……それは単なる夢です、幻です」
「ふっふっふ、観念しろよ赤葦ィ!!」
別世界じゃなくて同一世界線での話でした。
こういう卵が先か鶏が先かみたいな話割と好き。
長すぎてとても描けないので誰かかいてください。
ちょこちょこ場面だけ浮かぶからなんか落書きしたら「NTRyada」でポイピクに入れときます。