【曦澄】どうしようもない話「あれ? なんか江兄こざっぱりした? すっきりしたって顔してますね」
「ああ、昨日垢擦りをしてな。ここ最近ずっと詰めていたものをきれいさっぱり洗い落としてやった」
年明けからずっと何かと多忙で忙しかった江澄だったが、絶対に桜の花見前には終わらせてやると根を詰めていた。粗方の業務を捌き終えた後、このまま花の宴に向かうのも無粋かと、前日のうちにすっかり身を清め、衣も新たに下ろしたのだった。
雲深不知処にほど近い山間の、知る人ぞ知る秘境の谷間で遅咲きの山桜を愛でる宴。四大世家の宗主揃っての桜の宴だが、金凌は花より酒より友達と遊びたいと、藍曦臣の伴としてやってきた小双璧と共に開けたところで蹴鞠に興じている。
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