タイトルが思い付かない【そのうち変えます】 面倒臭い。
この一言に尽きる。
煌びやかな空間に満ちる人の熱気や騒めきも自分に向けられる憐れみや侮蔑の視線や声も。
全部が全部面倒臭い。
ここは王家主催の夜会会場。騒めきの中心には一人の少年とそれに寄り添う美丈夫。それを俺は会場の中でも人が少ない壁際で壁に寄り掛かりながら眺めている。
豪奢なシャンデリアから降り注ぐ光の中、少年と美丈夫が踊り出す。周りからは感嘆の声が洩れ、同時に俺に向けられるのは何とも言えない視線達。
「見て、あのお二人。やっぱりお似合いね」
「レフティ卿がお気の毒だ。殿下もアンデル卿も何をお考えなんだか」
「アイツが婚約者を降りないからアンデル卿と殿下が結ばれないんだろう。身を引けば良いのに愚か者め」
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