手をつなぎたい1日目 : 「手をつなぐ」
CP 伏黒恵×神代恵衣
「恵衣」
伏黒恵と神代恵衣はある任務の帰りだった。
伏黒は2級術師。
本来ならば1人でも任務に行けるが神代恵衣の監視もあり、よく任務を一緒にする。
本来、監視は保護人である五条悟の役目だ。
だが、五条悟は多忙の身。
なので、五条悟の教え子である伏黒恵がかわりに監視役となっている。
「どうしたの?恵。」
「足元、大丈夫か?」
この日の任務は伏黒に割り振られたものだった。
任務自体は楽なものだった。
だが、行き帰りが大変だった。
何しろ、場所は山だ。
恵衣のおかげで低級呪霊はどこかいくので大丈夫だが足元が悪い。
片目がなく、片足は義足の恵衣にとっては歩きづらい場所である。
「だいじょ……っ!!」
草のせいで隠れていた石に恵衣はつまづいて転けそうになった。
近くの木に手をつけたので転けてはいない。
「大丈夫か?」
「うん、だい、じょうぶ、だよ」
「……はぁ」
恵衣よりも先に歩いていた伏黒は恵衣の近くまで歩いて手を差し出す。
恵衣はどうして手を差し出されているのかわからずとりあえず出された手に自身の手をのせた。
すると伏黒は恵衣の手をギュッと握り絡ませて歩き出した。
手を繋がれている恵衣は置いていかれないように同じ速度で歩く。
「め、恵?」
「なんだ?」
「恵衣、大丈夫、だよ?」
伏黒は外では絶対に恋人らしい行動をしない。
他人に茶化されたくないや恥ずかしいって思いがあるのだろうと恵衣は理解している。
恵衣自身も恋人らしいことを求めていない。
だからこそ、恵衣はわからなかった。
恵衣はこのつなぎ方はなんて言うのかは知らない。
だが、街で見かける仲のいいカップルがこのつなぎ方をしているのは見ていた。
とても好きあっているもの同士がする手のつなぎ方だと恵衣は認識している。
「……。俺がつなぎたいからしている。文句、あるか?」
全く恵衣を見ないで前ばかりを見る伏黒。
だが、恵衣は少しわかったらしい。
伏黒のわずかな違いや感情の変化を理解する恵衣。
伏黒が嫌がってはいない。
むしろ嬉しいと思っていると。
ただ、やっぱり恥ずかしいみたいで恵衣の方は見てはくれないということも。
(いつも、恵といると、安心、するけど、なんか、)
伏黒は前ばかり見ているせいで恵衣の表情は見えていなかった。
(今日は、ドキドキ、する)
いつもは表情の変化がとぼしい恵衣。
だが、この時は少し恋をする少女のようだった。