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    an0330ATWR

    @an0330ATWR

    とうひゅが好き

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    酔っ払い暴れる🐺のとうひゅ小説
    小話程度のつもりが、思ったより長い話になりそうなので進捗投げとく

    人生というのはあっという間で、俺はこの間ついに二十歳の誕生日を迎えた。プリマジはとうに引退しているが、今でもひゅーいとは頻繁に付き合いがある。
     今日も相変わらず家に不法侵入してきて、机にお菓子やお酒の缶を広げて「祝杯だよ♪」と許可なくお飲酒ビュー会を開いてくれたのが二時間ほど前の話。
    「ねぇ~とうまぁ、俺のはなし聞いてる~?」
    「ちゃんと聞いてるから」
    「ほんとォ?えへへぇ~嬉しいなぁ!」
     誰か聞いてほしい。俺に抱き着いてウザ絡みをし、ベロンベロンに酔っぱらっているコイツが最初なんて言っていたか。
    『魔法界で何回か飲んだけど、酔ったことないよ?っこう強いみたい』と余裕ぶっこいていたのに、度数の低いカクテル缶を二杯飲んでこれだ。
     魔法界の人はこっちのお酒に弱いのだろうか。そいうえば昔、お酒の入ったチョコを食べたみゃむが酔って気絶したことがあったな。あの時のひゅーいはやけにテンションが高かったけど、もしかして軽く酔ってたのか?
    「ねぇねぇ、それ美味しい?」
    「ああ、普通のコーラより苦みがあっていいぞ」
    「へぇ~俺も飲む!一口ちょーだい」
    「あっおい!それ以上は」
    「わぁ、これ美味しいねぇ!もっと飲んでいい?」
    「そんな状態で飲んだら体壊すぞ」
    「んぇ、おれのこと心配してくれてるの?」
    「おい引っ付くなって」
    「へへ…とうまぁ、頭撫でて?」
    「……はいはい」
     急に機嫌をよくしてまた抱き着いてきた。何度もぽっぺたにキスされるし、頭を撫でると身体をすり寄せてくるし。こんなにデレデレされると羞恥が限界を迎えそうだ。
    「ねぇとーま、いつになったらまつりちゃんに告白するの?」
    「なんだよ急に」
    「急じゃないよぉ、早く付き合っちゃいなよ」
    「…言ってなかったけど、俺、好きな人出来たんだ」
    「へぇ……へ⁉うっそだぁ!まつりちゃん以上の人に出会うことある?」
    今貼りついてきてるお前なんだけど。と言えないまま何年経ったんだろうか。自分でさえ自覚するのも、受け入れるのも時間がかかったし。親友だと言って慕ってくれているひゅーいに邪な気持ちを抱いてしまったことへの罪悪感を抱えたままだ。
    「……どんな人?」
    「どんなって…なんか、ほっとけないヤツ」
     俺の胸で大人しくなったひゅーいの頭を撫でながら、遠い昔のことを思い出す。河川敷で寂しそうに笑うひゅーいの顔は今でもハッキリ覚えている。
    「不器用で、全部一人で抱え込もうとするから心配。自分が側にいてやらなきゃなと思ってるうちに、なんか好きになってた」
    「…そうなんだ、そ…っかぁ」
     ふと、ひゅーいの肩が震えていることに気づいた。飲みすぎて吐きそうなのか?肩を掴んで引き離してみると、フローリングに小さな光の粒が落ちる。ひゅーいから涙がボロボロと零れ落ちる姿にぎょっとしてしまった。
    「っ気持ち悪いのか?吐き気は?」
    「~~ぅう、とうまのばかぁ!好きな人なんて聞いてない!」
    「え、そりゃ初めて言ったし」
    「まつりちゃんじゃなきゃ…俺は…」
     身体は大丈夫みたいだが、泣き崩れてしまったひゅーいにどうしていいか分からない。何年も俺の恋を応援してくれたから相当ショックだったんだろうか、本当にごめん。
     ひゅーいが急に顔を上げて俺から離れると、机の端に置いてあったビール缶をひっ掴んで一気に飲み始める。動きが速すぎて気づくのが遅れてしまった。
    「は⁉おい!もうやめろって!」
    「うっ…グス…別にいいじゃん!何飲んでも俺の勝手でしょ?」
     必死に缶を取り上げたが、やだやだとごねて大変だ。仕方ないので残りを自身に流し込んでひゅーいの手に渡らないようにした。なんだこれ、俺のお酒デビュー会じゃなかったのか。介護の間違いだろ。
    「ひゅーい…大丈夫か?」
    「らいじょうぶじゃないよ!」
     もうここまで酔っぱらったのならベッドに転がして寝てもらうしかないな。立ち上がってもらおうと肩に触れるが、凄まじい勢いで振り払われてしまう。
    「俺は橙真が誰を好きでも…応援………なんて、むり」
     今度は突然立ち上がって俺にダイブしてきた。抱き着くように押し倒されたが、後ろがベッドじゃなかったら頭打ってたかもしれない…とひやひやしてしまった。
    「…誰?まつりちゃんより好きになる人って」
    「それは…えっと」
     酔っぱらってる本人に告白するのは嫌だけど、どう言い訳していいかもわからない。言葉に詰まっているときでも、ひゅーいはずっと泣き続けている、どうしたら落ち着いてくれるんだろう。
    「俺が!世界で一番!とーまのこと大好きなのに!」
    「…え?」
    「まつりちゃんと幸せになってくれなきゃ…どうしたらいいの?」
    「ちょ、ひゅーい」
    「違う人なんてあんまりだよ」
    「待てって、話ついていけないんだけど」
    「っ……う…やだぁ!だったら俺でいいじゃん!一番、側にいたのに!」
     信じられないことを言いまくりながら、首が苦しくなるくらい抱き着かれた。あまりの衝撃に頭はパニック状態だ。ひゅーいはスキンシップの激しい友達だと思っていたけど、違ったのか。散々俺の恋路を茶化して応援しまくっていたのに?
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