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    hina🐰

    @hina_strip

    ストリップ界の王子様🤴🏻武藤つぐみちゃんのオタク。
    浅草ロック座中心のレポ絵や感想、妄想漫画。
    ※全てフィクションです。

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    hina🐰

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    2年前閉館した広島第一劇場閉館興行🍁と
    推しの武藤つぐみちゃんの広島初乗り⛪️の思い出がごっちゃになった思い出日記✍️

    泣くな男だろう※最終週のレポとかではなく、ただの私の中の第一劇場の思い出日記です。2年前に書いたまま放置していた文章です。



    2021年5月20日までの広島第一劇場の閉館興行に当初は行くつもりは無かったのだ。というか行けないと思っていた。楽日が完全に被るその5月20日まで推しである方が浅草ロック座に49日もの間休み無く出演されており、私がストリップを好きになって、その推しと出会えた初恋の演目を再演していたから、それを一回でも多くこの目に焼き付ける事、見届ける事に集中したかった。でも遠く広島の空には力強い太鼓とお囃子の音と夜空を照らすような打ち上げ花火がチカチカと見えている。ただ単純にあのお祭りに行きたい、そんな子供みたいな気持ちで夜空を見ることが何度かあった。東京と広島、両方で上がる大きな花火を感じながらどうにも上手く心の整理がつかなくてずっと地に足がつかないようなフワフワとした気持ちで過ごす日々は胃に悪かった。そんな閉館も楽日も3日後に控えた5月17日の夜、延々と眺めていた新幹線のチケットを気付いたら買っていた。いやぁ、それにしてもチケットを買ったら行けるんだから、やはり地図に乗っている場所は遠いとは言わないなと思った。地図を眺めたって手が届かなくなる日は来る。



    広島第一劇場へは2度、足を運んだことになる。



    初めて広島第一劇場に行ったのは2020年の3月26日、推しの武藤つぐみさんを追いかけて足を踏み入れた。その痕跡は再訪した閉館興行のロビーに掛けてある過去出演者カレンダーにも確かにあった。夥しい数の踊り子さんの名前に紛れて、ひっそりとでもしっかりと鉛筆で書かれていた。出演はその一回きり、たったの5文字を思わず指で撫でた。キモいなと思ってハッとごった返すロビーを見回すが誰も気に留めてない。そんな小さな1人の感傷など気にしてられない浮き足立つロビーは、あと2日で立ち入り禁止となるのだろう。



    始めて広島に行った時、1人が不安で仕方がなかった。いくら温かい劇場と聞いていても内向的な自分には初めてのストリップ劇場はどこもかなりハードルが高い。行かなくて良いならなるべくどこにも行きたくない、初めてのところなんてワクワクではなくオドオドするタイプの典型的引きこもり体質をもう二十数年間やってきたこの自分が推しを追って4時間かけて広島まで来ている事に驚く。胃が空っぽだと流石にまずいからと新幹線で食べる為に買った小さいおにぎりも食べるのがやっとなくらい緊張していた。方向音痴がやっとの思いで初めての路面電車に揺られGoogleマップを駆使してたどり着き、吐きそうな気持ちで渋いおじさまからチケットを買って、どこに座って良いかもよく分からない劇場のステージに推しが出て来た時、その、世界でいちばん愛しい顔を見て心の底から安堵した。いつも見てる大好きな顔だ、どんなに心細い見知らぬ道を歩いても私はこの子に会いに来たんだと、東京でのステージを見る時の500倍くらい噛み締めていた。遠くの地で見る見慣れた顔はなんて愛しいんだろう。これが「遠征」なんだって思った。



    そんな初めての広島から1年経ち、意外にも閉館興行は新幹線でご飯を難なく胃に収めることができた。久しぶりだけど2度目だから迷わず劇場に着けたし「銀山町」はぎんざんちょうじゃなくてかなやままちと読めた。扉を開けると瀬能優さん、葵マコさん、安田志穂さんのポラタイム。当然ながら閉館興行中の劇場は満席。そもそも座れるとは思ってなかったから自販機の横ら辺にとりあえず居場所を確保してみた。当たり前だけど以前来た時と人の入りがあまりにも違い、ここに立ってて良いんだろうか、立ってはいけない場所だったらどうしよう、ルールを破っていたらどうしようって相変わらずいつも余計なことを考える。動いてんのか動いてないのか分からない自動販売機の影に紛れてほっと一息見回すと1人の女の子が結構多い。限りある時間を縫って遠征してきたんだろうかという荷物を持つ子も少なくない。みんな強いなと思った。久しぶりだけど、私の記憶の中の広島第一劇場はずっと夕暮れ時の放課後みたいなイメージだったからこんなに人が入ってるのは見たことがなかったので、また少し印象が違っていた。


    香盤は浅草の年末公演かデラカブの閉館興行かでしか体験したことのない9人香盤。
    1.瀬能優さん 2.葵マコさん 3.安田志穂さん 4.ゆきなさん 5.中条彩乃さん 6.望月きららさん 7.須王愛さん 8.小宮山せりなさん 9.矢沢ようこさん



    須王愛さん💜
    そんな、前日に思いつき、ちょっと隣町行くみたいな装備で駆け込んでしまった広島第一劇場の閉館興行で、7番目の須王愛さんがステージに現れた時ようやく自分が落ち着いていたように思う。私は嬉しい事に須王さんのステージを見れる機会が多く、今回出演なさってた方の中では1番多く拝見してるからか、顔を見て凄く安心した。隣に座っていた地元の女性が演目中ベコベコに泣いていて、須王さん推しなんですと教えてくれた。私はその方と須王さんを同じ視界に入れながらなんだか不思議な気持ちになっていた。〜じゃけん!という方言混じりで話してくださるのを聞いてはじめてハッとした。自分は本当に広島に居るんだと。関東ではたくさん拝見している須王さんを、当たり前だけどこの地で同じ踊り子さんを推しとして見つめてきた方が今隣の席にいて、そのどの方とも手を伸ばせば触れられそうな距離で10日間過ごしていく…なんだかその鱗片を初めて感じてこれがストリップ、踊り子なんだなと思った。



    中条彩乃さん👅
    中条彩乃さんはこの遠征のすぐ直前、4月の浅草ロック座公演で何度も何度も見ていたから、やっぱりどこか顔を見れてホッとするような感じがした。でも浅草の強い照明と与えられた役柄の中とはやっぱりまた違っていて自分で選んだ自分の演目をする中条さんをこうして見上げるのは久しぶり。熱い血潮のような絨毯の赤が場内に乱反射するこの劇場で中条さんを見ると以前から感じていた太陽のような存在感が更に増して見える。何歩かに一度誰かを見つけてはくしゃっと笑ったり舌をペロッといたずら心を見せたりコロコロと変わるその表情にどれくらいの人が命を救われたんだろう。中条さんが盆に立ち劇場の照明が落とされたときの明るい暗闇は、広島の特徴的な星が舞うミラーボールが頭上でチラリと輝くのも手伝って、夜空を見上げてああ、明日の天気は文句なしの晴れだなと思った時の清々しさに似てる。お姐さんによって見える景色が違うのもストリップの魅力だった。



    初めて広島へ行った時は名物っぽいお客さんを何人か拝見できて嬉しかったのも覚えている。いつも盆横に座っているお爺さんに推しは「毎日いるね」と話しかけて笑っていた。ポラタイムにエグザイルするお客さん。これは同人誌で見たことがあって答え合わせができた気分だった。あとはお姐さんにひたすらBL映画のチケットをあげまくってる方(タイトルも秀逸だった)何であげてるんですか?って聞いたら監督が好きで応援してるんですよぉ、と。訳が分からなくてマジで面白かった。推しのオープンで必死にチップを渡していたら、武藤さん推しなんですか?と聞いてきてくださった女性の方もいた。少しだけお話したらまさかの私の描いた絵を知ってくださっていて、こんな遠い地で感想をお聞きすることができた。お連れの男性を紹介してくださってそしたらその方はよくTwitterでアイコンを拝見する地元の方だった。ここに来なかったら、絶対にお会いできてないなと思った。とりあえずそういう方々の日常に溶け込んだような風景は閉館興行で拝見することはなかった。(おそらくいらっしゃっていたけど日常ではなかったように思う)(どうだろう…)

    そうそう、当時は推しの演目、「星の銀貨」が全然完成しないという事件もあった。あの演目は全編を通して神聖な雰囲気で普段とは別人のように無垢な顔で3曲踊った後、お祈りの台詞を肉声でする為に音無しの状態になる。投光さんが無音というのに慣れないのか、その1番のクライマックスの静かなシーンでいつも間違えてオープンショーの爆笑おちゃらけ音楽を流してしまう。盆の突端で神が降りているような1番良い表情をしている推しに容赦なく降り注ぐ快活なオープン曲。頭上には一瞬で我に返る推しの顔、「すいません~」という悪気がなさそうなアナウンス。現実に引き戻されてしまい少し恥ずかしそうに「終わりまーす」と捌けてしまう推しさん。ああ…ああ、なんて、なんて勿体無いことを………あの時は内心ブチギレたけど、あんなに鮮明に憑依から我に返る推しの一瞬の表情をすぐ頭上で見れるのはここだけかも知れないと思ったら今ではかなり良い思い出になった。私が次の日に行った時にようやく成功していて、無事完成版を見てから帰路に着くことができた。よかった。



    望月きららさん🌟
    その、初めて広島第一劇場にお邪魔した時にも出演していて広島の舞台を誰よりも上手く使っていていっそう演目が凝っていて印象強いと思っていたのが望月きららさんだった。衣装も大きなドレスやジュディオングの羽みたいなのとか、演目中の表情も凄くてすぐに気になる存在になった。きららさんはそんな厚底で高くて細いヒールで立てるの?というピンヒールで縦横無尽に走り回り踊りまくる。可愛いくて人懐っこい笑顔と理想のプロポーション、とびきりエロいベット、サービス精神満点のトーク…それ以上に一度見た人の心へ何か残そうというという気持ちが広い広島の劇場中に容赦なく焚かれるスモークとなって充満させているような感覚になる踊り子さんだった。圧倒されて緊張しいが普段あまり積極的には撮りに行けないポラを思わず一枚撮った。

    閉館興行のラスト10日にも、その望月きららさんは乗られていて、彼女のステージを見るために今回は広島へ行ったと言っても過言ではなかった。その日もきららさんは全身全霊で場内を沸かせようとして船に乗ったり馬に跨ったりしていた。思わずどうやって搬入するんだろう…と感想が出てしまうような、子供が乗るようなやつじゃなく本気の馬の乗り物。本当に1演目1演目燃え尽きるようにステージをするのを見ていたら、ああ、東京から感じていた、遠い広島の夜空をチカチカと染めていた打ち上げ花火はきららさんだったんだなぁと思った。


    安田志穂さん🐚
    安田志穂さんの国民的アニメの演目は以前新宿ニューアートでも拝見していた面白い演目で、みんなを笑わせてくれようとする気持ちがありがたかった。広島でこの演目を見た際、新宿で拝見した時よりも断然納得している自分がいた。何でだかこの広島のステージで見るとやりたかったことがくっきりと前に、私に伝わってきて、すごく素直に志穂さんのコミカルさに笑わせてもらった。昭和の香りが色濃く残っているからだろうか、劇場が違うとこうも見え方が違うのかとビックリ。志穂さんは肌がとても白くて全身をダンスに捧げているようなしなやかな筋肉のボディーラインの持ち主で、体の線が水彩画のような方だと思う。一糸纏わぬその白い躯体が赤い絨毯によってくっきりと縁取られる様は透明水彩のような瑞々しさと鮮やかさだった。思わず水彩絵の具ではどの順で塗れば良いか、頭の中で構想したくなる。水をたっぷり含んだ筆がぽたぽたと画用紙に落ちるような汗が全身を伝って、湿度が数パーセント上がるようなステージをなさる。



    矢沢ようこさん🎗
    閉館興行9人香盤のトリは矢沢ようこさん。その日は映画「彼女は夢で踊る」と同じタイトルを持つ演目1個出し。劇中の会話や音楽をふんだんに、でもシンプルに使ってまさに広島第一劇場の閉館に寄せた演目だった。この劇場に2回しか来ていない私なんかが泣いちゃダメだと必死に堪えるも、やはり抑えられなかった。シンプルな曲でシンプルにこの劇場で踊る踊り子というものを映し出す演目だったように思う。映画を拝見していて、感想は色々あれど実は最後の最後に出た「広島第一劇場は◯月に閉館した」というモノローグに少なからずショックを受けていた。タイミングや色々な関係で仕方ないと分かりつつも映画が終わった直後立ち上がって、まだ閉館してないから!って叫びそうになった。勝手だなとは思いつつも一回しか行った事ないこんな私なのに、まだ劇場が開いていると知っていたらもっと沢山のこの映画を見た人が足を運ぶかもしれないのにとか思って苦しくなったりした。標本をピンで刺すように言霊にしてしまったら現実になってしまいそうで怖く、どうしてもどうしてもその針が自分にも刺さったまま引っかかって今まで抜けていなかった。でも矢沢さんの演目を見て何故だかそのどうしようもない気持ちごと包みこんで抱きしめて解放してくれたような気がした。演目を通して答え合わせを心の中でして、ようやく私のなかであの映画が完結したように思えた。劇中、矢沢さんが踊り子役としてステージの上でひらりと手をあげる振りをするだけで衝撃を受けた。ああこれがストリップをずっと踊り続けてきた人の動きなのだと。多分ふつうのダンスともまたひとつ違い、女性の持つ美しさを最大限に極めたような、その結晶のようなそんな風に感じるのは自分だけではないのじゃないと思う。画面越しでも、一度掌を舞わせるだけで花が咲いて、四季が巡り、職人が丁寧に編み上げた最高級の白いレースが天に向かって翻るようだと思った。





    武藤つぐみさん💙思い出
    はじめて第一劇場に行った時、トリは推しの武藤つぐみさんでした。その日のラスト演目はセマー。ひたすら旋回し続けるこの演目を彼女の代表作と思う方も多いかもしれない。それだけ印象深く浅草で演じられ、武藤つぐみさんという名前と一緒によく語られているように思う。常連さん方があんなにはしゃいでいたポラタイムの後、20人ほどの場内で賑わいが嘘だったかのように静かな重低音が古びた館内にぐわんと地鳴りのように響く。ずっと夕暮れの体育館のようだと思っていた劇場に静かに夜をもたらすような演目だ。東京では緊急事態宣言というものが初めての発令されるかもしれないという瀬戸際、ほんの些細な事実もデマもすぐに全国を駆け巡っては全て泥のように滞留する気持ち悪さと緊張感のある時勢。広島でもその波が足元をびしゃびしゃと浸し始めているのを街を歩きながら感じて、私はロビーでふいに話しかけられたときも東京から来たと言ってはいけない気がした。

    武藤さんの旋回によって起こった風が空席や通路の間を伝って場内を漂っていく。ひとつ前に見た望月きららさんとはまた違い、地面を這って進みいつの間にかこちらが呼吸を忘れて窒息している、そんな液体窒素のような空気の満たし方。第一劇場の特徴である大きな鏡に映った8人の旋回する推したちはまるで教会の壁に遺された宗教画のようにそれぞれの祈りを持ちながら回ってそれは曲に合わせてどんどん力強さを増していくように見える。当時もずっと付き纏っていた閉館の二文字。長くこの地に建つ劇場で回る武藤さん、いやこの名も知らぬ少女はふいに降り立ち、白い布に包んで包帯を巻いて労わり抱きしめ優しく天へ返す使いのようだった。ふと回転を止め自分の意思を取り戻したかのようにステージへと進む足取りの揺るがなさにはいつも驚かされる。それまで神様の為だけに祈りその身を捧げていた少女にふと芽生えた自我、そこからの感情剥き出しのダンスがいつも1番好きだ。見る人によってはもしかしたら一見「それだけ」に見える演目かもしれないが、「それひとつ」でこれほどまでに誰かの心を奮い立たせるこの踊り子が愛しくてたまらなくなった。


    演目が終わった後ポラタイムでは数人の常連の方が、「凄かった!あんな回ってんのに、普通に歩けるんだもんなぁ!」と感想をぶつけていた。どうやらその凄い、に気付いてくれていたようだった。へへ、と不器用そうに照れる武藤さんはいつも思うがさっきまであんなステージをしていたとは思えないほどふわふわと話す。

    その後このセマーという演目は「EARTH BEAT」で浅草ロック座へまた帰ってゆくのだが、私はこの広島第一劇場で見たたった一度のセマーがどこよりも印象深く、どこよりも合っていたと思う。





    閉館興行中の広島第一劇場から出た時1番に感じていた事は、とにかく「楽しい」だった。閉館興行という言葉が霞むくらい純粋にストリップが楽しかった。2度しか行ってないけれど私にとっての広島第一劇場は、踊り子さんをもっと好きになれる不思議な劇場だった。いつもと違う鏡、体育館のような舞台、放課後のような時間、赤い絨毯の盆、赤と青の強い照明、不思議な常連さん、カレー。。

    彼女は夢で踊るの映画で最も印象的だったセリフ、「あなたが愛したのは私じゃなく、この劇場よ」これが言えるのはやっぱり広島第一劇場だったからのように思う。




    翌日、早足に広島駅に向かってお好み焼きを食べて(大事)、推しさんへの差し入れを買ってみたりして、新幹線で東京に戻った私はその足で浅草ロック座に駆け込んだ。なんてったって、あと数日で大好きな浅草ロック座の公演WONDERLANDが終わってしまう。劇場が減っていく事へ大きな憂いはあれど私はただのちっぽけな1人の客なので、ストリップ業界を助けられるそんな力は1ミリもなく、そもそも思い上がりだ。私1人がこの劇場に入場料を払ったところで何か変わる事は無いだろう。


    でも私は私の大好きなこの推しの子がこれからの将来立てるステージが1つでも多いことを願っていつもお財布を開いている。推しが輝くステージだから劇場を大切にしたい。いまはとりあえずそんなちっぽけな理由で、本当にただただそれが願いなんだと思った。


    そんな気持ちを込めて、受付にお金を渡した。
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