二面宮の奥の一室。
綺麗なシーツの上に、金色の四肢を持つナル神とザル神が横たわっている。
ただ二体とも全く動く気配はなく、今は人形のように抜け殻となっていた。
意識と少しの力をナル神が作り出した器へ移し、人の子の活気を見に出かけたのが数刻前。
今は陽がてっぺんを過ぎたところだ。
神としての力の大半が残された体は、意識が帰ってくるまでは、しんと静かな部屋に置かれているだけであった。
意識が無ければ動くことはない。
だが不思議なことに、今まで何一つ動かなかった金の体が僅かに動きだす。
ゆっくりと、ゆっくりと。
隣の半身が居るであろう方へ腕が伸ばされ、それに引っ張られるようにしてお互いの体が向き合う。
耐えず半身へ触れようと動く腕。
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