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    バスケ部と軽音部のわちゃわちゃとケイエーの恋の始まりの話(予定)

    ‎ たった3人の部員は全員揃い、いつも通りにおしゃべりをしながらお菓子を摘む。何部だっけ?と自分の部の目的を忘れてしまうくらいには軽音部はゆるくまったり。なんでも程々、力は入れすぎない。それが心地いいよね。だって本気になったらなっただけ別れが辛いし。

    「それでジャミルがさー、」

    カリムくんのぱっとその周囲を明るくする太陽のような声をききながら、カップに入った紅茶を一口。彼の口から出るのは「ジャミル」がほとんど。スカラビアコンビは本当に仲がいいよなぁ、幼馴染だしそりゃそうか、とトリップしかけたオレをドアを叩く音が引き戻した。音からちょっと遅れてドアが不安げにゆっくりと開かれて、見知った顔ぶれを覗かせた。

    「あー… ケイト先輩います?」

    控えめに声を発したのは最年少。
    次にこの部室でよく聞くお迎えの合図。

    「カリム、そろそろ帰るぞ」

    自寮の後輩の突然の訪問、それもオレへの用事となれば咄嗟にトラブルでない事を願ってしまう。これはあの子せいか、それとも自寮に染まりきった自身のせいか…。

    「あれ?バスケ部じゃん なになに、どうしたの?
    ……え、フロイドくんまでいる!?」

    カリムくんを迎えにきたジャミルくん。オレに用事らしいエースちゃん。そこまでは分かるが軽音部に人魚はいないし、あのオクタヴィネルに借りをつくっているとは思えない。ほぼ2mある身長のおかげで部室のドアが小さく見え、驚きの声が口をついて出た。

    「あ?オレがいたらだめな訳?」
    「そんなこと言ってないでしょ…。」

    機嫌を損ねると面倒くさいとリドルくんから耳がタコになるくらい聞いてる。誰しも機嫌が悪い人とは接したくないと思うのが常だけど、フロイドくんの場合は特に。


    「あー! メンダコちゃんなんかいいもン持ってんね、オレにもちょーだい」

    語尾にハートでもついてるのでは?と思うくらいにはルンルンなその声で呼ばれたリリアちゃん。オレとバスケ部のやり取りを方杖を付いて見ていたのだろう。そのままの姿勢で机の上から飴をとって渡す。

    「よいぞ、ほれ。」

    あ ソレを渡すんだ…。ふーん。
    じゃあオレもちょーっと後輩ちゃんと交流を深めなきゃ! と意地悪心が湧いて出てくる。これでもちゃんとNRC生ってわけ。

    「エースちゃんも はい どーぞ♥」
    「え?」

    急な展開に追いついていない後輩ちゃんの口に強制的にリリアちゃんが渡したものと同じ飴を入れる。

     さて、残すはジャミルくん。ここは部長の出番かなぁとカリムくんに耳打ち。

    「カリムくん。 ジャミルくんにも、ね?」
    「あぁ! ジャミルにもやるな!」
    「んぐ」

    元気な返事が聞こえたと思ったら、指ごとジャミルくんの口に突っ込んだのを目の前にして、流石にちょっと可哀想だったかなと反省。本当にちょっとだけ。後悔はしてないけど♪

     いつの間にか空いていた席どかりと座り、長い足をぷらぷらさせているフロイド。不安そうな顔ままのエース。長いため息をついたジャミル。訪問者の3人から悲鳴に似た叫びが同時に出された。

    「「「何これ!!!!!」」」

    バスケ部それぞれの口から阿鼻叫喚といった、声にならない音が発せられた。

    「うへぇ、なにこれー… サイアク」

    目に涙を浮かべまるで少女かのようにしゅんと悲しみの表情を浮かべたフロイドと対照的に怒りを顕にしたのはジャミル。

    「おい、カリム!!」
    「ジャミル、悪かったって!」

    学園内の至る場所でよく見るスカラビアコンビのやり取りを微笑ましくみていると、自分を見つめる視線。

    「げほっ、ケイト先輩なにこれ…」

    両目に少し涙を溜めながらベビーフェイスに似合うあざとい上目遣い。まあ無意識なのだろうけど。ちょっとだけ嗜虐心が擽られる。

    「ん? リコリス飴。やっぱその反応になるよねえ……
    あっ じゃあこっちは?」

    オレの擽られた心が悪戯に微笑む。

    「こっちは色赤いし大丈夫そう?
    ってか、口ん中やばいし早く何とかしないとしぬかも…… あざっす♪」

    慌てた様子で真っ赤なグミを口にするエースちゃん。いつもの彼であれば警戒して絶対に口にしないであろうそれを放り込んでいる様子からもリコリス飴の威力がわかる。あれ、本当に不味いんだよね……。

    「あ それみたことあるかもー
    アズールが話題になってるからってラウンジに仕入れようとして試食したんだけど、ボラが跳ねてんのかってくらい床のたうち回ったやつだ。
    あのときのアズールの顔、ちょー面白かったぁ」

    「え…?
    あ!? やばっ! かっらい!!」

    ✎︎______________

    「あっはっはっ エースもだめかー! オレもだめだったんだよ、それ!」
    「カリム先輩助けて」
    「んー… じゃあ、これやるな」
    「んぐ」
    「…これはうまいかも? あでもすっげえ甘い
    先輩これは?」
    「ん? デーツチョコ」
    「美味いですね、コレ」
    「あ ジャミルくんはスパイスいける系だ?」
    「ええ、まあ…」
    「ねー、なんか好みバラッバラぽいけどさ、上手く演奏揃う訳?」
    「ま、ワシら三大温和ボーイズにかかれば。のう?」
    「「ねー♪」」
    「ふーん? ま、オレにはかんけーねーし、どーでもいいけど。」
    「フロイドくんが聞いてきたんだけどね⁉」
    「あっ、もらいっぱにすんなってアズールに言われてんだった。」
    「ラッコちゃんはー、これ」
    「おう!」
    「んじゃメンダコちゃん、はい」
    「ふむ」
    「はい、ハナダイくん」
    「ありがと?」
    「フロイド、カリムに渡したのオレが上げたバグラヴァだろ…」
    「あっリリア先輩が持ってんのオレがさっき盗られたショートブレッド!」
    「だって今ポッケに入ってんのこれだけだったし、
    貰ったんだからオレの好きにしていいでしょ」
    「文句あんの?」
    「…ナイデス」
    「まあまあ、エースちゃん?
    このフラップジャック、お兄さんがあげるから」
    「辛くない…?」
    「辛くないよ」
    「…じゃあもらっといてあげる」


    【ハーツへ向かうケイエー】
    「ってかフロイドくんひどいよね! まるでオレ達演奏できないみたいな言い方! オレ、ちゃーんと演奏できるし、他の2人とも音、相性いいんだよ⁉」
    「オレに言われても…
    ま、オレら先輩達の演奏まともに聞いてないし。
    ほら、部活勧誘会のライブはリリア先輩…いや、カリム先輩のダイブ事件で中断したから」
    「あー… 確かにそっか… そもそもあれ“ミニ”ライブだしね」
    「そっすよ」
    「そっかぁ じゃ、久々にライブ、しちゃおっかな」


    「いいな!」
    「腕がなるわい」
    「よっし、頑張ろー!」
    「「おー!」」

    【軽音部、真面目に練習】
    【部活終わりのバスケ部に軽音部凸(体育館と鏡舎の間?)】

    「あ、いたいた! はい、これ エースちゃんに」
    「これ、ジャミルの分な!」
    「ほれ、フロイド
    ワシら軽音部が揃って演奏するところ、みせてやろう!」
    「あれ、本気だったんスね⁉」
    「もちろん!」


    【ライブ】
    「原因作ったフロイド先輩、結局来ねえし…」
    「まあフロイドだしな
    そろそろ入るぞ、エース」
    「へーい」

    【超カッコいいライブ】
    なにあれ… いつもあんなヘラヘラした先輩なのに、あんな顔すんの⁉
    はぁ、カリムめちょっとはしってる…
    まあ分からんだろうが。
    【ライブ終わり頃】
    「ありがとー!」
    「ありがとな!」


    「…エース? 大丈夫か?」
    「へ?」
    「あー… ライブ久々なんで、ちょっと圧倒されたってか…」
    「ああ・・・」


    【バスケ部】
    「んでそのときケイト先輩が、」
    「最近カニちゃん、ハナダイくんの話ばっかすんね?
    前はサバちゃんと小エビちゃんの話か金魚ちゃんの話だったのに」
    「そういえばそうだな」
    「そんなことないから!」
    「なんで焦ってんの、ウケる」
    「何も言ってないだろう?」
    「これあれだ、スクールで習った! 陸の『恋』だ‼」
    「は⁉」
    水吹き出すエースと目を見開くジャミル
    「スクールのせんせー言ってたよ? 陸での恋は好きな人のことばかり考えてその人のことしか見えなくなるって」
    「まあ、同性同士はダメなんてないしな」
    「違うって‼‼」


    【軽音部】
    「この間のライブからケイトはエースの話ばっかりだな!」
    「え!?」
    「気持ちは分かるぞ?わしもあの熱のこもった視線が忘れられん」
    「えぇっ!?」
    「大丈夫かケイト。声、裏返ったけど」
    「その反応、若いのぅ」
    「どういうことだ? リリア」
    「そうさなぁ… ひとことでいうなら、『恋』か」
    「『恋』か! そうか!」
    「いやいや違うからね!?」
    「わし、『好きすぎてライブに恋してる』って言ったんじゃがな?」
    「え。」
    「それならオレも恋かもしれないな! あれ?ケイト、顔真っ赤だぞ」
    「これ以上はケイトをいじめるのはやめておくか、カリム」
    「え? いじめてなんてないけどな?
    ケイトが嫌な気持ちになるのはオレも嫌だからやめておく!
    そうだリリア、次これ食べようぜ」
    「ひとつもらうとするか」


    【それぞれの部屋】
    「「『恋』、ねえ・・・・・」」

    【日常風景の中でお互いがお互いを目を追わずにはいられない存在になっていくケイエー】

    【ハーツラビュル寮 談話室】
    「ケイト先輩 …これ」
    「へ?」
    「こないだのライブのお返し、っていうか…」
    「え、いいの?」
    「オレ、フルでは試合出れないと思う。でも、先輩に来てほしい…。
    それで、試合でシュート決めれたら、先輩に伝えたいこと、あって…」
    「応援するね、オレ」
    「ありがと」

    【バスケ部試合】
    「お、ケイトも来てたのか!」
    「あそっか、ジャミルくんの応援?」
    「おう! あっ、 ジャミルー‼
    頑張れー‼」
    【んべぇって嫌そうな顔するジャミル】
    【目が合うケイエー】
    エースちゃん、その髪、もしかして…


    「エースちゃんっ!」
    【エースがシュート決める】
    【ケイトに向かってピースするエース】

    【体育館裏】
    【しばらく無言】
    「エースちゃん、」
    「ケイト先輩、」
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