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    5210tiya

    ちょっと注意な絵やねたばれが心配な絵を置いてます。

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    5210tiya

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    斎土AVパロ2
    (続きです。そして、まだ何もしてないです。)

    ##斎土

    斎藤は最近仕事が手につかなかった。心ここに在らずといった感じではあったがそこはプロ、なんとか演技ではいつも通りを装っていた。
    (それもこれもあの人のせいだ…)
    この前斎藤がビデオを見てからもう1週間が経っていたが芹沢からその件がどうなったかの連絡はまだ来ていなかった。

    事務所に入るとちょうどいつもの席に芹沢がいた。斎藤は思い切って話を切り出した。
    「あの…芹沢さん。この前の話なんですけど、あっちどうだったんです?」
    斎藤が話しかけると芹沢は驚いたように斎藤に目を向けた。
    「君がそんなに仕事に積極的なのは珍しい…。最近仕事に身が入っていないのはそのせいかな?」
    「いやいや…僕はいつも本気で頑張ってますよ…で、どうなんですか?」
    斎藤の様子に、芹沢は気に入らないように顔を背けた。
    (山南くんもそうだが斎藤くんもあの男を知った途端どこか変わったように思える。あの男のどこにそんなに惹かれてるんだか…)
    「まぁまぁ…落ち着きたまえ。あっちからまだ連絡は来ていないよ。どうやら渋っているらしい。今まで女相手にしかやってこなかったようだからな」
    「ふーん…」
    (こんなに会いたくてしょうがないのに…って僕なんでこんなに熱くなってるんだか…らしくないなぁ…)
    斎藤ははやる気持ちを抑えながらまだ実際に会ったこともない男のことを考えいっぱいになる頭をどうにか誤魔化そうと平常心を装った。
    「まぁ、連絡きたら早く教えてくださいよ。僕には僕の予定ってもんがあるんですから」
    そう言うと芹沢は
    「わかったよ」
    と言いながらスケジュール帳をパラパラとめくっていた。




    芹沢の電話から1週間が経っていた。夕方、山南は仕事を終え足早に事務所を出ようとした土方に声をかけた。

    「土方くん、この前の話なんだけど…」
    「あん?まさかこの前のやつか…。嫌だって言ってるだろ。あんたもしつこいな」
    「確かに男の人とやるのには抵抗があるかも知れない。でもね…せっかくのいい話なんだ。土方くんの可能性を広げるチャンスだよ」
    「そうかな…?そんなことしたら女のファンが減るんじゃねぇか…まぁ、もしどうしてもやって欲しいって言うなら俺はこの仕事辞めるぜ」
    (土方くん頑固だからなぁ。こんな話とても首を縦に振るとは思えない。それに確かに今までの土方くんが好きだった人からしたら嫌かもしれない。)
    (でも、相手はあの斎藤くんだ。もしかしたら土方くんの新しい面を見ることができるかも…はっ…いけないな。土方くんのそんな姿を一番見たいのは私かもしれない…)
    山南はそんなことを考えながら事務所を出た土方の後ろ姿を見つめていた。



    先程の斎藤との会話から1時間ほどたち外はすっかり暗くなっていた。そろそろ帰ろうと机周りを片付けていると電話が鳴った。相手はきっと山南だろう…。そう思いながら電話を取ると思った通り声は山南のものだった。
    そして、挨拶も早々に山南は切り出した。
    「芹沢さん。この前のお話なんですが、受けさせていただきたいです」
    「ほう。それは嬉しいね。土方くんようやく、やる気になったのかい?」
    「それはまだわかりませんが…。一応考えがありまして…斎藤くんがよく行くお蕎麦屋さんってありましたよね…?」
    「あぁ…それがどうかした…」
    芹沢は言いかけたが蕎麦屋というワードから斎藤の顔を思いだし、山南が考えている策に考えを巡らせた。
    「あぁそういうことか。なかなかの賭けだが山南くん本当に大丈夫なのかい?」
    「はい…土方くんのことも斎藤くんのことも信頼していますので…」
    (山南くん…怖い男だ)
    芹沢はいつもは穏和な山南の隠れた一面をふと垣間見た気がして寒気が走ると共に、だがこの男はやはり面白い…そんな一種の信頼を改めて感じるのあった。
    電話をきると事務所のソファで先程まで呆然としてだらりとしていた斎藤がいつもの間にこっちに興味津々で視線を向けていた。
    「えっ?今の連絡山南さんですか?」
    「あぁ、斎藤くんが待ちに待ったあの話のことだ」
    「いやいや…そんな言い方やめてくださいよ。で、どうだったんですか?」
    「受けてくれるそうだ」
    そう言った途端さっきまではやる気のない目だった斎藤の目に火が灯り飢えた獣のように変化するのが芹沢にはわかった。
    「明日はここに向かうんだよ。受け攻めは相手と話をして決めてくれ」
    「はいはい…」
    斎藤はいつものように軽い調子で地図を受け取ったがその手は歓喜のせいでブルブルと震えていた。




    先程はイラついて事務所を飛び出してしまったが明日の予定を聞くのを忘れていたことを思い出し、土方は戻って山南に話を聞いていた。
    「土方くん。明日の仕事なんだけど、ここに向かうんだよ」
    「あぁ」
    地図に目を通しながらも、土方はなんとなくわかっていた。これが例の男との仕事だということを…。山南が勝手に仕事を了承したのにも腹がたっていたがそのことを言わずに無理矢理その仕事に向かわせそうと自分を騙そうとしていることにさらに腹が立っていた。なので、明日の仕事は無断で休む気満々であった。
    俺は悪くない。むしろ、俺を騙した山南が悪い。土方はイライラしながら事務所を出た。

    イライラしてたら腹が空いてきた…。そんなことを考えているとふと蕎麦屋が目に入った。その途端
    「あの蕎麦屋、味が濃くてね。それにカウンター席は目の前に店主がいて落ち着かなかったんだよ」
    親切者の山南らしくない口ぶりで先日語っていたのを思い出し、土方は自分でも子供っぽい理屈だと思いながらその蕎麦屋に入りカウンター席に座った。店は混んでいて隣には長髪の男が座っていたがそんなことはお構いなしに席に座り店内を見渡した。思っていたより店内の雰囲気は悪くない。
    それだけで山南に勝ったような気持ちになりつつ、土方は何を注文するか…と手元にあったメニュー票や手に取った。
    「おい、店長。たくあんあるか?」




    斎藤は明日のことが待ちきれない想いだった。ついにあの人に会える…。
    最近はあの人との行為のことを考えるだけでご飯が喉を通らない状態だった。なので明日に備えて、大好きでたまらないものを食べにいつもの店に来た。
    カウンター席に座り
    「店長、いつもの」
    と声をかけると威勢の良い声と共に素早く目当てのコロッケ蕎麦を出してくれる。これだよ…これ…。今の僕にはコロッケ蕎麦しかない。そう思いながら蕎麦を啜っていると、隣にでかい男が座った。斎藤はその迫力に若干肩をすくめつつ気にせずに次は汁を吸ったコロッケを口に運ぼうとした。だがその男の声を聞いた途端さっきまでは蕎麦に集中していた意識がそちらに向かった。
    なんと隣に座った男はあれほど会いたくて焦がれていた土方という男だったのだ…。斎藤は思わず食い入るようにその横顔を見つめた。端正でいて男らしい顔立ち。ビデオの時は不敵に笑っていたが今は怒っているような表情で、普段だったら目を合わせたくないようなタイプの人間だ。店長が出してくれたたくあんをボリボリと良い音をたてながら食べている。みんなその突拍子もない注文に驚いて見つめていたがその男は全く気にしていないようだった。
    僕は言いたい言葉を飲み込みコロッケ蕎麦を平らげた。

    そして食べ終わり一回深呼吸をして心を決めた。
    「あんた…土方さんですか…?」
    「ん?そうだが。」
    突然の声かけにもその男は動じない。僕はその様子と返事に安心しつつ言葉を続けた。
    「僕、斎藤一って言います。明日あんたのこと抱きますから!!」
    斎藤は思わず立ち上がり自分でも驚くほどのはっきりとした声でそう告げると、勢いよくお金を置いて店を飛び出していった。

    「ふっ…斎藤か…。」
    騒然とする店内を全く気にする様子もなく土方はたくあんを齧りながらニヤリと笑っていたのであった。
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