pupと、shizunと、さんたくろーす「ジングルベール、ジングルベール、すっずっがーなるー」
クローゼットから取り出した収納ボックスをごそごそと漁りながら歌うshizunの横でリズムに合わせて尻尾を揺らしながら、pupは探し物のお手伝いをしています。尤も、shizunが何をお探しなのか、pupは知らないのですが。
\shizun、shizun、なにをおさがしですか? このでしは、おやくにたちます!/
「確かこの辺にある筈なんだけどな〜」
必死にアピールするpupですが、探し物に集中していて気付かないのか、shizunは答えてくれません。少し前までご機嫌に揺れていたpupのふわふわの尻尾とお耳も、へにょりと垂れてしまいそう。
「お、あった!」
突然の嬉しそうな声に、めしょりと潤みかけたくりくりお目目を上げようとしたpupのお顔の横を、shizunの手が通り過ぎました。首筋をさりりと撫でて行った細い指先に、pupの思考回路はショート寸前。
はわわ、と真っ赤になることしか出来ず、shizunが恋しくて恋しくて震えるpupの首元で、ちりんと涼しげな音がしました。首を傾げれば、ちりん。目線に入れようと下を向いても、ちりん。
ふわふわの自慢の毛並みが邪魔をして姿が見えない謎の音の発生源に、なんだなんだとお耳がぴくぴくします。後ろ足でかしかしと掻いてみても、ちりんちりんと鳴るばかり。
そんなpupをそっと優しく抱き上げたshizunは、鏡の前に移動してpupの姿を見せてくれました。うっかりとshizunのお顔に吸い込まれそうになる視線を苦労して正面の己の首元に向ければ、額の天魔の罪印のように鮮やかな赤と、きらきら光るお空のお月様のような金の輝きがひとつ。
これは、最近テレビでよく見かける、圣诞节のトナカイの首輪ではありませんか!
「真っ赤なのはお鼻じゃなくて額だけど、サイズもちょうどいいな。後は圣诞老人の帽子でも被れば完璧か?」
鏡の前でふわふわの綿がついた真っ赤な帽子まで被せて貰ったpupは、はたと気付きます。shizunは、pupが二人の愛の巣に圣诞老人が侵入することを警戒していることに、気付いてくださっていたのだと!
\このいえは、このでしのなわばりです! このでしのみが、いいこのshizunにぷれぜんとをおおくりします!/
shizunがこの弟子だけの為に与えてくださった圣诞老人セットを装備したpupは、秘蔵の愛弟子気分でふんすふんすと鼻息荒く決意を固めるのでした。