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    himeka_hp

    @himeka_hp

    ヒュンポプ中心に書いてます。
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    himeka_hp

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    【まさかの出来事】の更に続きです!!
    まさか三作続くとは思いませんでした(笑)

    今回は長兄が小さくなります!!

    #ヒュンポプ
    hyunpop

    【二度あることは……】ヒュンポプこの間、魔物を倒した後、一週間程の記憶がすっぽりと抜け落ちていた。マァムから聞いた話だと、どうやらおれはその魔物の影響を受けて小さくなっていたらしい。
    しかも、その間は恋人であるヒュンケルを何故か苦手にしていたようで、元に戻った後にヒュンケルに、ぎゅうぎゅうと抱きしめられ続けてしまうという、恥ずかしい刑が待っていた。


    そんな日があったばかりの数日後、今度はヒュンケルが小さくされてしまうという、なんともご都合主義な展開が起きてしまった。


    「ヒュンケル~」
    「なぁに?」
    「ちょっとおれ用事があるんだけどなあ」
    「やだ!ポップと一緒がいい!!」
    「ヒュンケル、ポップ君が困ってるから、私といましょう?」
    「やーだああ!!」

    小さくなったヒュンケルは、おれにずーっとくっついて離れなくなってしまったのだった。


    任務はラーハルトと一緒に行っていたらしいけど、討伐後にはもう小さくなっていて、いつもの冷静沈着な態度はどこへやら、警戒心むき出しの猫の様な小さな男の子になっていた。
    帰ってきて、おれを見るなりバタバタと走ってきて、足にしがみついてきた。え!?なんでだよ!?
    おれは混乱しっぱなしで、キョロキョロとマァムやラーハルトを見るが、諦めろ、という顔を二人はしていて、結局面倒をみるのはおれという事になったのだった。

    「ヒュンケル、でいいんだよな?」
    「うん…」
    「おれはポップっていうんだ、何か覚えてることあるか?」
    「ない…」
    「そっかー、なら、仕方ないよなあ、しばらくこのままここにいてくれるか?」

    しゃがみこんで、目線を合わせて、優しくそう問いかけると、少し悩んだ末に、こくりと頷くヒュンケルに、くそ、可愛いなと思いながら、頭を撫でれば、恥ずかしいのか、俯いてしまう。それを見ていたレオナとラーハルトがからかう。

    「ヒュンケル、なあに、恥ずかしいの?」
    「こいつにも、羞恥心というものがあったんだな」
    「姫さんもラーハルトも…、小さくなって記憶もないんだ、しょうがねぇだろ?」
    「いや、ヒュンケルの事だからな……」
    「実は記憶があって、ポップ君に甘えるとか、そんなのありそう」

    まあ、確かにそれはありそうだな、なんて思ってしまったけど、今は小さくなってしまったのだ、幼いヒュンケルにはちゃんと接してやりたい。
    そうしていたら、どんどん懐かれてしまい、冒頭の会話に至るのだった。


    用があるのは本当だが、放って置くのも気がかりだし。どうするか、と悩んでいたら、ラーハルトがそばに来てヒュンケルの頭をこつん、と叩いた。

    「いたい~!」
    「わがままを言うんじゃない」
    「わがままじゃないもん!」
    「わがまま以外の何物でもないんじゃないかしら」
    「うー、うるさいおばさん!」
    「……」

    ブチン、という音が聞こえてきて、レオナがキレたのが分かる。待て、落ち着け!!
    おれは立ち上がって、間に入るけど、二人は睨み合いを続けている。

    「どいて、ポップ君」
    「や、でも子供だぜ?」
    「いいえ、小さいからって甘やかしてちゃだめよ」
    「ええー……」

    おれとレオナとを見比べ、ヒュンケルはおれに抱きついて、レオナに向かって、べー!と舌を出している。

    「ヒュンケル、ダメだろ?」
    「だって~」
    「目上の人にそんな態度したらダメなんだって、嫌われちまうんだぞ」
    「……」
    「だから、ちゃんと言うことは聞かないとダメ」

    むう、とした顔を見せてくるヒュンケルに、真剣な眼差しで言葉を伝える。おれのその顔に、ヒュンケルも気づいたのかしゅん、としてしまった。別に怒ってる訳じゃないんだけどな。

    「ちゃんと言うこと聞いてくれたら、何かおれに出来ることなら、やってやるから」
    「……!」
    「嫌か?」
    「……なんでも?」
    「おれに出来ることなら、な?」

    その言葉に、ぱあ、と顔を輝かせて抱きついてくるヒュンケルが可愛くて、思わず抱き返してしまう。
    そうして、何をお願いしてくるのか待っていたおれは、次のヒュンケルの言葉にびっくりしてしまう。

    「じゃあ、お嫁さん!」
    「へ?」
    「お嫁さんになってよ!」
    「……へ?」

    お嫁さん、およめさん……およめ……
    一瞬何を言っているのか分からなくて、聞き返してしまうが、聞き間違いでも何でもなくて、ちゃんとこの耳は、「お嫁さん」という単語を捉えていた。

    「や、ヒュンケル、嬉しいんだけどよ、そういう事はちゃんと好きな人に言わなくちゃだめだ」
    「お兄ちゃん好きだよ?」
    「いや、でも……」
    「オレの事嫌い?」
    「嫌いじゃないけどな?」
    「じゃあ好き?」
    「……んー…」

    おれが反応に困っていたら、ラーハルトがそばに来て、おれを抱き寄せた。え!?何やってんの!?

    「すまんな、ヒュンケルこいつは俺のものだ」
    「嘘だあ!」
    「え、え」
    「お前には渡せないな」
    「ポップはオレの!!」
    「いつから、ポップはお前のものになったんだ?」
    「やだやだやだ!ポップは絶対渡さない!!」

    二人のやり取り、おれを挟んでやるものだから聞いていたら頭が痛くなってきて、はあ、とため息をついた瞬間に、ぐい、と引き寄せられてしまう。
    気づけばレオナがおれに抱きついていて、ニヤニヤと二人を見ていた。

    「残念、ポップ君は、私のだから、誰にもあげないわよ」
    「姫さんまで……」
    「まあ、ポップ君が欲しければ私を倒してみなさい?おチビさん」
    「チビじゃない!!」
    「ならば、俺も参戦させて貰おうか」
    「いいわよ、誰でも来なさい、ポップ君は渡さないから」
    「俺だって!!ポップをお嫁さんにするんだからな!」

    そうして、三人のおれをかけたバトルが始まってしまったのだった。

    数日後に元に戻ったヒュンケルは、「お嫁さん」発言をからかわれるが、本人はまるで当たり前のようにドヤ顔をしていた。

    何なのこいつ!!
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