スクールライフ延長戦 校舎棟の中央には中庭があって、生徒たちの交流の場となっている。ベンチに座って談笑したり、球技に汗を流したり、いつの時代も学校は生徒の賑やかな声で溢れている。
授業を終えて教室を出ると、中庭を見下ろせる窓際にあたるがいた。数人の女生徒に囲まれながら、清々しいまでに表情筋を緩ませている。なんてだらしのない顔だろうか。通り過ぎる際にうんざりした面持ちで一瞥したが、あたるは面堂に見向きもしなかった。
「――いやいや、モテちゃって大変」
程なくして職員室の扉を開けたあたるが、開口一番に軽口を叩く。スキップするかの勢いで隣の席に座っては、手にしていた出席簿を机の上に乱雑に置いた。その音がやたらと耳触りだったのて、面堂は臆面もなく顔を顰めた。
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