あなたの苦しみを搾り取る ノボリさんは時々ひどく申し訳なさそうな顔になる。それはいつも、私の上で果てた後だ。
「――」
「ノボリさん?」
「もうしわけ、ありません」
「なにがですか」
なにも申し訳ないことなんてないのに。私はノボリさんの固い体も、ごつごつした手も太い腰も全部好きなのに。それを私だけにさらしてくれることが、どれだけ嬉しいのか、あなたはまだわからないのか。
「あなた様はお若い。若い身をこのような老人に差し出すことなどないのに」
「はりたおしますよ」
普通にイラッときた。私の好きな人に失礼なことを言うな。
眉を下げたままのノボリさんの胸を押して起き上がる。そこかしこどろどろなのは構わない。明日洗えば済むことだ。
起き上がって、ノボリさんの腕を引く。彼は素直に私に押し倒される。だからまたがって、まだ堅さの残るソレをもう一度自分の中に招き入れる。
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