引き金の楽園バタン!と大きな音を立てて控え室のドアが開く。そこには何やらとんでもないものでも見たと言わんばかりの顔をした漣ジュンが肩で息をしながら立っていた。
「どうしたのジュンくん。扉は静かに開けなきゃダメだよね?」
「っすけど、今はそうじゃなくて…っ」
「うん、話は聞くから落ち着こうか」
はい、とジュンの分である水が入ったペットボトルを渡す凪砂。ジュンは礼を言いながら受け取りその水を喉へと流す。一息つけばバッと勢いよく顔を上げた。
「オレ、見たんです」
「何をですか」
「天使」
は?と3人揃って同じ方向に首を傾げた。そんなもの存在するのだろうかと思っているであろう面々にジュンは姿勢を正して深呼吸をする。そして伏せていた目を開いて3人に向かって一歩近づいた。
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