その呼び方、ナンセンス!好感度:普通
「あっ、ヒムロッチ!」
「…………」
大きな溜息ひとつ。僕は先輩を一瞥して、校門を後にする。
一体何なんだ、あの人は。
入学式の日、新入生を歓迎するように綺麗に咲いた花の横で、心底帰りたいとやさぐれていた僕をじっと見ていたのがあの人だった。
あの時に言う必要のないことをベラベラと喋ってしまったことは反省している。何も分かっていなそうな人、しかも先輩、を思い切り壁に追い詰めてしまったことも。
きっと互いに印象は最悪。驚かせてしまったことは謝ったが、学年が違うなら遭遇する機会はそこまで無いだろうと思い、そのまま思い出ごと忘れようとした。
それなのに、だ。
とある日、いつものようにサーフィン中に近くのカフェで休憩していたら、あの人がいきなり現れたのだ。
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