手料理 隣で眠る恋人を起こさないように、そっとベッドから抜け出す。顔を覗くと、恋人は健やかな寝息を立てて気持ち良さそうに眠っていた。今日はお互い休みだからと昨日は大変盛り上がってしまったので、起きるまではまだ時間がかかるだろう。剥き出しの肩にそっと布団をかけ直し、まろい頬をひと撫でしてからキッチンへ向かった。
『このベッドで朝飯食うってやつ。向こうで本当にやってんのかな。』
『"breaksfast in bed"か。日常的な習慣じゃなくて、ちょっとした記念日なんかにやるらしいな。』
『ヘェ、流石。』
『興味あんのか。』
『いや、オレ歯磨いてから食いたいし。でも朝起きた瞬間から今日はちょっと特別なんだって分かるの、なんか良いなって思って。』
1006