ほしのことまよいご真っ黒のその子が戻ってくる。
もうお面も、ケープも、光も全て失ってしまったその子だが、私にはその子がテアだとわかる。
「……、テア」
おかえり、おつかれさま、がんばったね……どの言葉も違う気がして、結局名前を呼んで黙りこくってしまう。
テアは私に手を差し出す。
その手をとって立ち上がる。
見上げるテオは、どこか誇らしげに見えて、
「ぷわっ」
ひとなきして、それから光の翼を取り出す。
そしてそのまま私に差し出した。
驚く間も、なにか反応する間もなくその光が私の中に入って消えていく。
「え」
「ぷあ!」
呆然とする私を後目に、テアは片手を突き上げてひとはねした。
そして両手を広げる。
崩れそうな体に、しかし恐る恐る受け止めた。
きゅっと小さな手が背中に回る。
「……ありがとう」
星が碎ける音がした。
周りの暴風や落石の音が一気に消え去って、
「ぷあ」
テアの小さな鳴き声が、耳に残った。
そして私の視界は白く染まる。