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    kz_tagosaku

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    kz_tagosaku

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    夏コミで出したウェカマジェまんがのプロットのようなもの
    台詞と状況のみの羅列
    2017-10-29 18:22:22
    2022 05 20 プラベから移動

    #ウェカマジェ
    waekamaje

    ウェカピポが夢にとりつかれる話真っ暗な夜の平原。燻る焚き木を頼りに野宿する人影が2つ。寝そべる影が寝返りを打つ。
    う~ん…パサ
    毛布が落ちる。
    クシュン!
    …ハァ
    寝る前に鉄球を磨いていたウェカピポが顔をしかめつつ重い腰をあげる。
    相棒の元へ歩み寄ると、真っ暗な闇からぼうっと白い影が現れた。
    20センチュリーボーイ…。
    マジェントのスタンドはその本体を護るよう丸く寝そべる体に覆いかぶさる。
    顔だけをあげてウェカピポをまるで睨むように見据えた。
    マジェントはスヤスヤと寝息を立てている。
    …こいつの毛布をかけるだけだ。
    ウェカピポ毛布に手を伸ばす。
    センチュリーボーイ、コードの様な手をウェカピポに這わせる。
    大丈夫だ…何もしやしない。
    それを聞いてセンチュリーボーイふわっと消える。
    また静かな真っ暗な夜に2人っきり。
    ウェカピポ毛布をかけ直してやる。
    マジェントは気持ち良さげに寝入っている。
    深い眠りの中で暖かさを感じた。
    とっぷりとした黒。
    街中に建つ背の高いアパートメントを窓の外からそっと俯瞰。部屋の中に誰かいる。
    網目の坊主と黒髪の天パ。
    2人に流れる雰囲気はとても穏やかで、そこで暮らしてるんだろうと分かった。
    キッチンに立ったり、コーヒーを飲んだり、ちょうど良さそうなソファに座ったり。
    ふと、2人の動きが止まった。お互いを見据える。
    そしていつもの事の様に当たり前にキスをした。
    パチ
    そこで目が覚めた。ボサボサの頭のまま起き上がるマジェント
    だだっ広い平原は朝を迎えた。
    ウェカピポはマジェントの対面で寝ていた。

    岩だらけの平原、ウェカピポは眉間に皺をよせている。
    でさーすっげーいいアパートメントに住んでてさ!窓から近くの公園の噴水が見えるんだぜ?!
    黙々と食事するウェカピポ。
    部屋も中々広かったんだせ?ふかふかのソファがあってよぉ
    …。無視
    そこでオレたちキスしてた。カップ持ちながら
    ゴフッ!!
    およ?大丈夫かよ?
    ウェカピポ鉄球を構える
    マジェント慌ててセンチュリーボーイを出す
    夢の話だぜ?!!
    何故そこでオレが出てくるんだ…
    オレとウェカピポさんがいっしょに暮らしてたからだぜ!
    何だそれは勝手にオレを登場させるな。
    んな無茶な…
    気色悪いだろう。
    え?別に? キョトン
    …下らない話をしていないでさっさと食え、すぐ出立する。
    ちぇ…わかったよ
    ノリ悪ぃなーブツブツ
    ハァ…あからさまな溜息をつくウェカピポ
    ちょっとイラッとしたマジェント
    …ウェカピポさん!スッゲー上手かったぜ!
    これにはウェカピポおこ哀れマジェント、レッキングボールをくらう。
    ミシシッピ川の湖岸に向けての道中。
    この日一日中マジェントは無視された。
    なーなーウェカピポさん
    無視。
    道行きもウェカピポが先を行くだけで喋りもしなかった。
    ちぇ…!
    日が暮れて野宿
    仏頂面で晩飯を頬張るマジェント
    おい、マジェント明日の道筋だが
    おいマジェント聞いているのか?
    つーん ぶっすー ブサイクな面が更にブスに
    もーオレは寝ます!おやすみ~あ~ウェカピポさんの登場しない、いい夢でも見るかな!
    マジェント毛布を被り丸くなる。
    すぐにスヤスヤと寝息が聞こえた。
    マジェント…?寝たのか…
    ウェカピポ、身を乗り出して様子を伺う。
    センチュリーボーイ顔だけ出しておこ
    やれやれ参ったウェカピポ
    眠りにつく。

    …ウェカピポ…
    …ウェカピポ、起きろよ
    ん…
    おはようウェカピポ。
    チュ
    …。ウェカピポしばしの間
    ガバ!
    今何をしたマジェントここはどこだ!
    うお!なんだよいきなり!
    ウェカピポ、ベッドから飛び起き部屋を見渡す。
    ベッド、ソファ、台所、当たり前に置かれた2つ分のカップ、目の端に写真が見えた。
    窓から外を見る。公園と噴水が見える。
    これは…なんだ?ゆ、めなのか…?
    目を細め、額に手を当てる
    ウェカピポ?あんた寝ぼけてんのかよぉ?
    今日仕事早いんだろ?飯出来てるぜ!
    マジェントを見る。ダイニングテーブルには温かな食事があった。
    …仕事…?
    ウェカピポなんだか頭が重い。
    頭の遠くでアメリカの広大な大地が見えたがすぐにかき消された。
    ウェカピポ?大丈夫かよ?
    不安げなマジェントを見る。
    あぁ…そうだな…わかっている…
    大丈夫かよぉ?
    早く食べよう…冷めてしまう。

    奇妙な生活が始まった。
    この小さなアパートメントで起床し
    朝食を食べ、仕事へ行く。
    初めてのはずが一つ一つの瞬間をオレはずっと前から知っていた。
    普通の生活が「ここ」にはあった。

    コーヒーカップを2つ持つウェカピポ
    俺の顔に何かついてるか?
    え?
    いや、見てねぇよ?!ガツガツ!
    おいあまりガッツクな・・・
    ウェッホ!ゲッホ!!咳き込むマジェント
    まったく…だから言っただろう
    コーヒーを差し出すウェカピポ
    あんがと…

    玄関 出掛けようとするウェカピポ
    なんだお前は出かけないのか?
    オレ今日は休み。
    こんなしみったれた給料でこき使っいやがってまったくイヤんなるぜ
    そう言うな貰えるだけありがたいと…
    ウェカピポ。
    振り向きざまにマジェントの腕が伸びる。抱きついた。
    胸板に顔を押し付けすっぽりと収まる。
    ウェカピポも休んだら…?
    ぎゅー
    あんた最近さ…
    変だよ
    オレが…
    大丈夫だ…行ってくる
    いってらっしゃい…
    マジェント去る背中を不満げに見送った。

    夕暮れ、街中を1人歩くウェカピポ。
    変か・・・
    ショーウィンドウに映る自分を見るウェカピポ
    馬車が映っていることに気がつく
    頭が重い。
    走る馬が脳裏見えたがまたすぐにかき消された。
    うっ…
    変なのは…ここなんだ…
    ウェカピポ?
    聞き慣れた声に反応する。
    おかえり!オレも帰るとこ。
    ホラ買い物行って来たんだ!
    あぁ…。
    ウェカピポは朝よりも更に元気がない。
    なぁ?ウェカピポ 公園寄ってこうぜ?
    マジェントに連れられ公園へ
    何気に手を繋いでいる。繋ぎたいと思ったら行動は既に終わっているのだ。
    景色のいい公園を歩く。噴水広場へ。
    なぁウェカピポ…おれ今朝
    変なこと言ったよな
    謝るよ
    ごめん
    あんたにさ
    おれ…
    オレは、知っていたんだ…
    職場も仕事も…どこを歩けばいいのかって事さえも分かる…
    実際は知ってるわけがないんだ。
    ウェカピポ?
    オレにはやるべき事があるんだ
    目的地へ行かねば…果たさねば…
    これは夢だお前が見た夢なんだ。うっ…。
    ウェカピポ ふらつく。
    マジェント思わずウェカピポを支える。
    マジェント…お前は誰なんだ。
    マジェントめっちゃショック
    ウェカピポどうしちゃったんだよ…
    オレ…なんかした?
    もう意味わかんねぇよ…
    怒ってんのかよ、そんなに…じくじく
    顔を覆い泣くマジェントに思わず手を伸ばすウェカピポ
    泣くなマジェント。お前が泣くのは本意ではない。
    うぅ…別れたいのかよー…
    …。ポクポクチーン
    おい待て…待て!
    お前は突然何を言い出すんだ?一体なんの話をしてるんだ?
    そもそもオレとお前は…付き合ってない。
    マジェントあんぐり
    あーーーー!!!!!!!!
    おい泣くな 。
    だっべうべがびぼがぁああ
    ヒソヒソ …
    ウェカピポ困

    ううぇ…

    マジェントをソファに座らせ台所に立つウェカピポ。
    迷いなくヤカンに火をかけ形の違うカップを2つ出す。
    1つのカップを掲げ思わずしかめ顔。?
    コーヒーを淹れソファに座る。
    マジェント帽子のツバをぎゅっと掴み嗚咽を漏らす。
    うう…ぐす
    ほら飲め。
    ぐす…あ…あんがと…ズズッ
    ウェカピポもコーヒーを啜る。
    マジェントチラリとウェカピポを伺う。ウェカピポまじイケメン。ちょっとした所作もカッコいいのだ。
    ウェカピポはオレの事が、き…あっ…嫌いになったんだ。
    ポロポロ
    コーヒーを両手で持ちながら泣くマジェント。顔は涙と鼻水でグチャグチャ。
    泣くな…入るぞ。
    …う…オレがオレが…!
    …ウェカピポのカップ割っちまったから怒ってるんだろ…!
    間。
    …。おい、聞いてないぞ。
    言ってねぇし…。
    あんたが寝ぼけて飛び起きた日あったろ?おれその朝ウェカピポのカップ割っちゃって…
    あんた何も言わねぇから…怒ってんのかと思って…おれ…ぐず
    …ごめん
    手、
    え?
    怪我しなかったか?
    …!うん!うん!大丈夫!20がいるしな!ほら!
    センチュリーボーイゆらりと出る。
    ウェカピポにコードの様な手を伸ばす。
    顔にペタペタ。
    …くすぐったいぞ
    わ、悪りぃ!引っ込めるよ!!
    うわっ!
    スタンドを引っ込めるマジェント
    慌てた所為で危うくコーヒーをこぼしそうになった。
    あぶねー
    おいおい…気をつけろ…っ
    思わず手が伸びた。
    カップを持つマジェントの手の上にウェカピポの手が重なる。
    コーヒーの熱が手の甲越しに伝わってくる。
    顔が近い。
    マジェントが視線を絡めてくる。
    俺たちって付き合ってなかったの?
    離せない手に更に手を重ねて来た。
    コト。
    俺のこと好き?
    どうやらお前の夢の中の俺は随分甘いらしい。
    答える代わりにキスをした。
    あんたの新しいカップ買いに行こうぜ。
    ああ…。

    とっぷりとした黒。
    ぼやける視界、シルクハットを被った相棒がパチパチ弾ける薪をつまらなさそうに棒で突いている。
    こっちを見た。
    およ?ウェカピポさん?
    …起きてたのか…ゴシ
    なーんか寝付けなくってよぉ パチパチ
    ウェカピポさんがぁ人の夢にまでケチつけるからぁ?
    …。
    な、なんだよ…まーだ怒ってんの?たかだか夢の話じゃん。
    そうだな…。
    ん?具合でも悪ぃのかよ?めっずらし
    …。押し黙るウェカピポ
    ほんとに大丈夫?
    マジェントが心配気に覗き込む。
    (俺のこと好き?)
    ウェカピポさん?
    思いのほか近づいた身体をウェカピポは引き寄せた。
    パチパチと弾ける薪、重なる影。広い平原に瞬く星。

    そうだ、ただの夢の話だ。

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