「...んっ、」
固まった身体をほぐす様に両手を天井へ向けて伸びをする。長時間の配信はしないようにする、と言ったのが少し懐かしく思えるくらいには、もうすでに片手では足りないほどの時間を費やしていることが増えている気がする。ストーリー重視のゲームは楽しい分、辞めどきが分からなくなるのが困りものだ。
すっかり飲み干して空になったグラスを掴んでキッチンへ向かう。愛しい同居人が水分補給にはうるさいため配信中に気にするようになってから、長時間配信の後に喉に違和感を覚えることが減った気がしていた。何度言われてもつい疎かにしてしまう節があることに呆れた浮奇が、画面に付箋を貼った時は手を叩いて爆笑したのもよく覚えている。誰のせいだとしっかり詰められて怒られたが、その健気さが愛おしくて今もそのままだ。
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