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    すいか

    @vIf1EyQiVhXy11t

    類司(🎈🌟)が主の倉庫。
    すいげつ/きんか、あわせてすいかです。

    作者別で作品を表示する場合は「すいげつ」「きんか」でタグで検索すれば見れます。
    ※イラストのみです。文章は「文」で検索してください。

    R-18作品については現在フォロワーさんのみの18高卒↑の方の「リスト」申請で公開しています。

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    すいか

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    ネジをなめて一本ダメにする🎈🌟の短編。

    お題「なめる」を指定に書いたもの。
    ネジをなめる=ネジを潰すこと。
    事後ですが内容は健全。

    #文

    そうしてネジが一本ダメになる意識が浮上する。普段のベッドは違ってちょっと狭くて固いが、だからといって珍しくもなく心当たりのあるマットの感覚に、これが類のガレージのソファーであることを思い出す。そうだ、オレは昨晩類と愛をじっくりと確かめ合って一緒に眠ったのだった。
    けれど今、この寝床と化したソファーの上に熱を分かち合った相手はどうやらいない。何か近くから金属のような音がするから、作業でもしているのだろう。

    まだ少し眠気のある目を開けてみれば、紫色の頭とカッターシャツの背中がすぐ近くにいるのが見える。気づかれないように身体を少し起こして覗くように頭を傾けば、床に座ってソファーに背を預ける体勢で小さなドライバーを何かの機械へ回しているらしいのがわかった。類はオレが起きたのにも覗いたのにも気付かずに、真剣にネジをはめている。

    これは何の装置を組み立てているのだろうか。類のことだからきっと素晴らしい演出に使われるということには間違いない。内容を想像をしてショーへ使われるワクワクと、実験で使用されることについての恐怖でぶるりと震えがでる。
    たった鳥肌に二の腕を擦る。さすさすと音がでるが、それでも類はオレが起きたことには気付かない。どこまでしたら気付くのだろうかと、ちょっとした好奇心で大胆に横顔を見てみても、全くだ。よくみる柔らかな笑顔はなりを潜めて真顔で、ずっと作業へと没頭していた。

    そのままじっと横顔を見つめる。うむ、かっこいい。
    オレは類のこの、演出にかけて真摯な態度で向き合っている顔が好きだった。顔のパーツはこのオレから見ても綺麗で、所謂イケメンの部類だろう。だがオレにとってはそうじゃあないのである。同じショーを愛するものだからこその表情だから、今この時間の類の顔が愛おしく感じれた。
    だから、一度見るといくらでもじっくりと眺めていられそうだった。今まさにそうである。眺めていた類に対して、胸の辺りが暖かくなって幸せな気分にひとつ笑みがこぼれる。ああ、類のことが好きだなあ、と。
    そうして無意識にふわふわとした気持ちに支配されて、思わず頬にキスをしていた。

    チュッ、とリップ音がたつ。
    その瞬間、ばっと類がオレからのキスに反応して、こちらへものすごいはやさで振り向いてきた。その手元からはがちん!と大きな酷い金属音が響いて床にドライバーが落ちる。
    「えっ?!」
    「うわっ」
    耳から首までまさかの真っ赤だ。その反応はオレも予想外で驚いてしまった。

    「あ、おはよう、司くん。起きていたんだね。」
    「おはよう。それからその、すまん。こんなに驚かせるつもりはなかった。」
    衝動的すぎた行動に謝罪を送る。集中していた類だって、急に頬に唇を感じたらビックリもするだろう。あれだけ真っ赤になったのも状況の判断ができなかったからだろうか。この反応はとても可愛かったが、オレとしたことが配慮が足りず不用心すぎた。
    「いや、いいんだ。寧ろこれからもしてくれていいんだよ。」
    類が落としたドライバーを拾い上げる。どうやら先ほどキスをオレからされたときに力加減を謝って、ネジを回すのを失敗したのがあの金属音だったらしかった。
    もう一度しめなおそうとドライバーを構えて、ピタリととまる。

    「……ネジ穴、潰しちゃった。」

    見てみれば確かにネジ穴が見事に潰れていた。物凄く力をいれてしまったのがよく伝わる削れたようなそれに、オレはまさかキスひとつで一本ネジをダメにしてしまうとは思わず、申し訳なくなった。




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    MEMOこれもなんとなく晒しちゃう
    いつぞやのスレミク(https://poipiku.com/150116/2641897.html)を漫画にしようとしてくじけて文章で……ってなってこれだけ進めて忙しくてやはりやさぐれてしまった、冒頭も冒頭の冒頭
    ◆スレイを探す、とある天族の話。




    目覚めた。


    そう、目覚めた。それだけがはじめの意識だった。ここがどこかはわからない。少し視線を動かすと、あちこち崩れた天井のむこうで、澄んだ青が高く見下ろしている。空だ。しかも昼の、晴れた空。なんだかそれにひどくほっとして、ほう、と息をつく。数回瞬いた。見える。問題ない。自分の意志で視界を動かせる。途方もないことだった。――――? そうかな。途方もないことだったかな。だって、見えるってそういうものではなかったろうか。青空があって、それを見ることができて、そんなのって、珍しかったっけ? わからないなあ。でも。でも。でも。



    背を起こそうとする。
    そういうものだと言わんばかりに、体が無意識にそうしようとした。
    が、阻まれた。ぐぇ、と首元がなにかに引っぱられる。
    わからないので、首を傾げた。耳元でなにかがふさりと揺れる。
    引っぱられた気がしたのだけれど、周囲に自分以外がいる気配はとんとない。
    では何が原因で起き上がれなかったのだろうか。
    右を向く。
    左を向く。
    寝そべっているのは地面だ。
    地面には天井からの落下物や、壁から剥離した装飾物がぼろ 2745

    すずめ

    MEMOへーテキスト機能でござるかーってなったので、テストがわりに手元から適当に引っ張ってみました。

    現代びゃくしょーのつもりのやつ。
    詰め込んだ願望
    ・ジェッソトップ2の共闘
    ・戦場で役立つ入江様(大盛)
    ・薔薇の女王呼ばわりされる入江様(特盛)
    ・もうどうにかこじつけて入江様を盛りたい、という産物



    ◆白蘭を選ぶ正一くんの話
    (※ 一部、HEL/LSINGのオマージュみたいなところあります)


    鈍い鈍いと言われたこの頭でも、一度は“それ”を考えたことがある。
    もし彼が《もう一度》を願ったら。
    そのために力を惜しまぬと言い放ったら、と。


    唐突な呼び出しだった。
    指定場所は、見慣れた並中の校舎。
    その屋上へ君臨するように降り立った天使を、綱吉は食い入るように見上げた。

    「どうして! 白蘭!!」
    「だって、ああも見事な完敗って僕、初めてだったんだもの」

    にこりと、現代に戻ってから見てきたような邪気のない笑顔が綱吉へ返される。
    そう、邪気は、悪意は、感じないのに。

    「失敗したら、反省するでしょう? 反省したら、どうすればよかったか考えるでしょう?
    んでね?」
    「…………」
    「どうすればよかったかの算段がついたら、ほら、試したくなるじゃない?」

    両手を広げて、大仰な演者のように、白蘭は笑う。
    けれどきっと、 9612

    すずめ

    MEMOちょっとしょんぼりしてらくがきなんもできなかったけどなんかアウトプットしないとそれはそれで妄想消化不良で自家中毒してくたばるから文字発散でしのいでる

    ◆たつまよで夏のはなし(未完)
    いつぞやのらくがきの、ひまわり畑の前で先輩呼んでるマヨチヤンのあれのつもり
    ひろくん自転車のれなくて特訓したとか
    たつまよラムネのますとか入れたいとこまで届いてないていたらく…
    無駄に長くなるのなおしてえ
    いかにも夏らしい、高い空のひろがる午後だった。
    ひまわり畑のそば。
    麦藁帽の下の顔はぼんやりと、道の向こうに視線を向けて佇んでいる。
    髪色が濃いせいか、白い肌が殊更浮いて見えた。
    頬だけ、外気に当てられて常より赤い。
    咲いたような彩りの造形がやたら眼について、慌てて首を振る。
    胸の内、雑念を追いやるように戒めて、表情を作った。


    「お待たせしました」


    声をかければ、かの人がゆっくりと振り向く。
    大口の袖から覗く華奢な腕が持ち上がり、数度やわらかく手を振って、笑う。


    「暑いですねえ、巽さん」


    ええほんとうに。
    返事は、滞りなく相手に届いたようだ。
    手のひらには、買ったばかりのラムネの瓶が二つ。
    結露はとうにはじまって、瓶を握りこんだこぶしの先からほたほたと水滴が零れていく。
    足を踏み出せばその振動に、硝子のぶつかる硬質な音がからんと鳴った。



    ・夏の話



    結成から二度目の夏。
    ALKALOIDは四人そろって県を越え、とある海浜公園に出向いていた。
    来たる秋に向けて、参加型イベントの公募を盛り立ててほしいという依頼が入ったからだ。
    先行体験する姿を撮影し、感想を残し、 6309

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    結露はとうにはじまって、瓶を握りこんだこぶしの先からほたほたと水滴が零れていく。
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    結成から二度目の夏。
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