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    すいか

    @vIf1EyQiVhXy11t

    類司(🎈🌟)が主の倉庫。
    すいげつ/きんか、あわせてすいかです。

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    ※イラストのみです。文章は「文」で検索してください。

    R-18作品については現在フォロワーさんのみの18高卒↑の方の「リスト」申請で公開しています。

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    すいか

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    爆発音がしたのでワンツーの野次馬をしに行くモブの話。🎈🌟
    時間がたって関係性が変わったふたりの話。

    ※🥞の初期星1の前半のサイスト、🎈の応援団イベ星4の後編サイストの内容を含みます。
    特に🥞のものは読んでいた方が内容が読みやすいです。

    #文

    あいつとあいつは有名な仲良しバァン!派手な爆発音が恐らくしなくても近くにある中庭の広場の方からあがる。この非日常的な音は、我らが神山高校ですっかり名物になってしまった同じ学年の変人ワンツーフィニッシュこと、天馬司と神代類が何かをしたことで起こるものだ。

    俺はここの中庭へ行く道にあるベンチ横の自販機にしか売っていない大好きな炭酸飲料を買いにきたのだが、どうやら巡り合わせが噛み合ったようだった。昼休みの時間は屋上に出没することが多いらしいあいつらが、今日はこっちにいるらしい。
    B組である俺はそのことに、特に同じクラスの神代に良い印象がなくて、前までならやっかいに巻き込まれたくないためそそくさと教室に帰っていただろう。しかしこないだの体育祭の応援団の演出の一件からあいつらが何をしているのか、今は少し興味があった。今度は何をしているのだろう。ちょっと覗いてみてみようかな、なんて好奇心がわいてくる。
    せっかくだし見に行くか。俺は爆発音とともに自販機の中から転げ出た炭酸飲料を抜き出して、小銭を忘れていないか確認をしてから自販機の後ろの奥にある開けた場所へと道を選ばずに足を運んだ。

    さくさくと草をかき分けて進めば、前の方から声が聞こえてくる。
    「どうだい、今回の改良は。これなら前より空へ飛ばせるだろう。」
    「確かに前より空側へ飛ぶようになったな!熱はあるが距離を守っていれば平気だし、量も以前よりも申し分ないのではないか?」
    いた。天馬と神代だ。まだ逃げていなかった。

    並んでいる木の影からふたりをこっそりと覗き見る。ブルーシートが地面に何重にも広く敷かれていて白い粒々が落ちている。そんな場所で大砲みたいな変な機械をとなりにして、バケツを覗きこみながらやつらは話し合っているところだった。
    こうして行われていることを目の当たりにすると、本人たち曰くショーの実験らしいこの行為は本当にショーに使われているのか疑わしく感じられる。そんな光景だ。が、応援団の演出のことを思い出せばちゃんと使われているんだろう。こんな機械を使うショーって一体どんなショーなんだ。
    軽い野次馬精神程度で見にきたが、俺はこのすっとんきょうな景色からさっそく心を奪われはじめてきていた。ショーはフェニランでやっているらしいし、今度行けば何に使われるか正体が分かるだろうか。そんなことを考えてしまうほどだ。

    天馬がバケツの中にあるらしい何かをつまんで口に含む。何度か咀嚼して飲み込んだ動作らしき行動をして、「うまい!」とデカイ声をあげた。
    いや、そのバケツの中身食えるのかよ。
    「しかしなにも校内で確認せずとも、ステージで実験した方がよかったのではないか?」
    「こっちよりも、練習内容の都合からステージの方で実験を優先したい装置があるんだ。それに食べ物はたくさんの人にわけた方が味の感想も聞きやすいし、なによりみんな仲良く食べられるだろう?」
    「なるほど、みなを笑顔に出来るということか!」
    今度は神代が掴みあげて手のひらにおいた白い粒を口に含む。味も問題なさそうだと頷く。天馬は神代の話を聞いて嬉しそうに笑顔を咲かせていた。

    俺は神代が校内で実験をした理由が意外で驚いた。みんなで仲良く食べれるだなんて発言をするイメージが神代に対してあまりなかったので、実験をするのも単純に学校でこういうことをするのが斬新で良いからだからかと思っていたのだ。応援合戦のあとにみんなのことを元気にしたかったと頑張ってくれたらしいと聞いて、クラスメイトとして少し話したことはある。授業で見るようなおかしな態度じゃなかったし、その時のことも考えればむしろ対人では大人しくて、案外そんな提案が普段から出くる程度に気性が穏やかなやつのだろうか。俺は神代へのイメージを以前よりもちょっとだけ改めた。
    しかしこれを俺たちへ配るつもりなのか。一体なんなんだろうか。少なくともふたりとも美味しいと言っているし、ショーで使うことを考えれば変なものでもないのだろうが、家族連れの多そうなフェニランで扱うならお菓子か何かだろうか。

    正体に全く想像がつかなくて、思わずブルーシートに落ちている白い粒たちを遠くから凝視していると、この現象とセットでお馴染みになりつつある叫び声が校舎側の道から聞こえてきた。

    「コラー!!天馬ー!!神代ー!!今度は何をしたんだーー!!!!」

    こいつらにいつも駆り出されている生徒指導の先生の声だ。それを聞いた天馬が弾かれたようにそわそわとし始める。一方の神代はというと、いつも見る読めない態度で笑っている。
    「おや?呼ばれているねえ。」
    「そりゃあ、これだけデカイ爆発音を出せばな!そんなことより類、これはどうするんだ。まさかおいて逃げるのか?」
    「大丈夫、得体の知れないものを不用意に触ったりはしない筈さ。それに先生たちもこれが何かはバケツやブルーシートの方を見れば分かると思うから、安心していい。」
    だからとりあえず逃げようか司くん。
    そう言うと神代は腕をあげて、天馬の手をとって走り始めた。

    あまりにも無駄なく綺麗に行われたその行動は、まるでそれが自然であると魅せられているようだった。いきなり引っ張られたにも関わらず天馬がふらつかず、綺麗に脚を踏み出すことが出来ていたから余計にだろうか。
    「まて類!!そんな急に引っ張るんじゃあない!!」
    天馬がこの距離にいてもハッキリと聞こえる声量でそう言いながらも、繋がれた手を振りほどかずに互いに並んで走る態勢にはいる。そうしてそのまま俺が買った炭酸飲料がある自販機へ繋がる道へと駆けて、左へと曲がっていきここをふたりして去っていった。
    きっとさっきの天馬への返事だろう。アハハ!と神代の上機嫌そうな、先程とは全く違う明るい笑いが辛うじで聞こえてきた。

    俺はというと今日一番の驚きに身体が硬直していた。だって、あの神代が、あんな風に笑う声なんてはじめて聞いたから。今までは特に揃って何かしていれば避けていたから知らなかった。いやそもそも天馬の手をとって行くところから、何か見てはいけないものを見てしまった気分が若干出てきていた。
    話をしたときにもテンションは普通だったあいつが高く笑っていて、そして抵抗なく積極的に行った行為だ。それについて神代的に本来どういう意味があるのかは正直知らないが、置いてきぼりにもせずに手を繋いでまで連れていく今の一連に対して、天馬のことがよほど好きなんだろうとしか思えなかった。だって俺なら仲の良い友達でもそんなことはしないから。

    「ちくしょう!逃げられた!!」そんな先生の声が聞こえてきて我へと帰る。しばらくワンツー揃って曲がっていった道から視線を外せずにずっと見ていたらしい。意識をすれば口は開けっぱなしで口内はすっかり渇いていて気持ちが悪い。
    俺は持っていた炭酸飲料をあけた。飲んだそれは固く握りしめていたせいで、手の体温がうつって温くなっていた。



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    すずめ

    MEMOちょっとしょんぼりしてらくがきなんもできなかったけどなんかアウトプットしないとそれはそれで妄想消化不良で自家中毒してくたばるから文字発散でしのいでる

    ◆たつまよで夏のはなし(未完)
    いつぞやのらくがきの、ひまわり畑の前で先輩呼んでるマヨチヤンのあれのつもり
    ひろくん自転車のれなくて特訓したとか
    たつまよラムネのますとか入れたいとこまで届いてないていたらく…
    無駄に長くなるのなおしてえ
    いかにも夏らしい、高い空のひろがる午後だった。
    ひまわり畑のそば。
    麦藁帽の下の顔はぼんやりと、道の向こうに視線を向けて佇んでいる。
    髪色が濃いせいか、白い肌が殊更浮いて見えた。
    頬だけ、外気に当てられて常より赤い。
    咲いたような彩りの造形がやたら眼について、慌てて首を振る。
    胸の内、雑念を追いやるように戒めて、表情を作った。


    「お待たせしました」


    声をかければ、かの人がゆっくりと振り向く。
    大口の袖から覗く華奢な腕が持ち上がり、数度やわらかく手を振って、笑う。


    「暑いですねえ、巽さん」


    ええほんとうに。
    返事は、滞りなく相手に届いたようだ。
    手のひらには、買ったばかりのラムネの瓶が二つ。
    結露はとうにはじまって、瓶を握りこんだこぶしの先からほたほたと水滴が零れていく。
    足を踏み出せばその振動に、硝子のぶつかる硬質な音がからんと鳴った。



    ・夏の話



    結成から二度目の夏。
    ALKALOIDは四人そろって県を越え、とある海浜公園に出向いていた。
    来たる秋に向けて、参加型イベントの公募を盛り立ててほしいという依頼が入ったからだ。
    先行体験する姿を撮影し、感想を残し、 6309

    すずめ

    MEMOこれもなんとなく晒しちゃう
    いつぞやのスレミク(https://poipiku.com/150116/2641897.html)を漫画にしようとしてくじけて文章で……ってなってこれだけ進めて忙しくてやはりやさぐれてしまった、冒頭も冒頭の冒頭
    ◆スレイを探す、とある天族の話。




    目覚めた。


    そう、目覚めた。それだけがはじめの意識だった。ここがどこかはわからない。少し視線を動かすと、あちこち崩れた天井のむこうで、澄んだ青が高く見下ろしている。空だ。しかも昼の、晴れた空。なんだかそれにひどくほっとして、ほう、と息をつく。数回瞬いた。見える。問題ない。自分の意志で視界を動かせる。途方もないことだった。――――? そうかな。途方もないことだったかな。だって、見えるってそういうものではなかったろうか。青空があって、それを見ることができて、そんなのって、珍しかったっけ? わからないなあ。でも。でも。でも。



    背を起こそうとする。
    そういうものだと言わんばかりに、体が無意識にそうしようとした。
    が、阻まれた。ぐぇ、と首元がなにかに引っぱられる。
    わからないので、首を傾げた。耳元でなにかがふさりと揺れる。
    引っぱられた気がしたのだけれど、周囲に自分以外がいる気配はとんとない。
    では何が原因で起き上がれなかったのだろうか。
    右を向く。
    左を向く。
    寝そべっているのは地面だ。
    地面には天井からの落下物や、壁から剥離した装飾物がぼろ 2745

    すずめ

    MEMOへーテキスト機能でござるかーってなったので、テストがわりに手元から適当に引っ張ってみました。

    現代びゃくしょーのつもりのやつ。
    詰め込んだ願望
    ・ジェッソトップ2の共闘
    ・戦場で役立つ入江様(大盛)
    ・薔薇の女王呼ばわりされる入江様(特盛)
    ・もうどうにかこじつけて入江様を盛りたい、という産物



    ◆白蘭を選ぶ正一くんの話
    (※ 一部、HEL/LSINGのオマージュみたいなところあります)


    鈍い鈍いと言われたこの頭でも、一度は“それ”を考えたことがある。
    もし彼が《もう一度》を願ったら。
    そのために力を惜しまぬと言い放ったら、と。


    唐突な呼び出しだった。
    指定場所は、見慣れた並中の校舎。
    その屋上へ君臨するように降り立った天使を、綱吉は食い入るように見上げた。

    「どうして! 白蘭!!」
    「だって、ああも見事な完敗って僕、初めてだったんだもの」

    にこりと、現代に戻ってから見てきたような邪気のない笑顔が綱吉へ返される。
    そう、邪気は、悪意は、感じないのに。

    「失敗したら、反省するでしょう? 反省したら、どうすればよかったか考えるでしょう?
    んでね?」
    「…………」
    「どうすればよかったかの算段がついたら、ほら、試したくなるじゃない?」

    両手を広げて、大仰な演者のように、白蘭は笑う。
    けれどきっと、 9612

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    目覚めた。


    そう、目覚めた。それだけがはじめの意識だった。ここがどこかはわからない。少し視線を動かすと、あちこち崩れた天井のむこうで、澄んだ青が高く見下ろしている。空だ。しかも昼の、晴れた空。なんだかそれにひどくほっとして、ほう、と息をつく。数回瞬いた。見える。問題ない。自分の意志で視界を動かせる。途方もないことだった。――――? そうかな。途方もないことだったかな。だって、見えるってそういうものではなかったろうか。青空があって、それを見ることができて、そんなのって、珍しかったっけ? わからないなあ。でも。でも。でも。



    背を起こそうとする。
    そういうものだと言わんばかりに、体が無意識にそうしようとした。
    が、阻まれた。ぐぇ、と首元がなにかに引っぱられる。
    わからないので、首を傾げた。耳元でなにかがふさりと揺れる。
    引っぱられた気がしたのだけれど、周囲に自分以外がいる気配はとんとない。
    では何が原因で起き上がれなかったのだろうか。
    右を向く。
    左を向く。
    寝そべっているのは地面だ。
    地面には天井からの落下物や、壁から剥離した装飾物がぼろ 2745

    すずめ

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    たつまよラムネのますとか入れたいとこまで届いてないていたらく…
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    麦藁帽の下の顔はぼんやりと、道の向こうに視線を向けて佇んでいる。
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    「お待たせしました」


    声をかければ、かの人がゆっくりと振り向く。
    大口の袖から覗く華奢な腕が持ち上がり、数度やわらかく手を振って、笑う。


    「暑いですねえ、巽さん」


    ええほんとうに。
    返事は、滞りなく相手に届いたようだ。
    手のひらには、買ったばかりのラムネの瓶が二つ。
    結露はとうにはじまって、瓶を握りこんだこぶしの先からほたほたと水滴が零れていく。
    足を踏み出せばその振動に、硝子のぶつかる硬質な音がからんと鳴った。



    ・夏の話



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    ALKALOIDは四人そろって県を越え、とある海浜公園に出向いていた。
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    先行体験する姿を撮影し、感想を残し、 6309