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    すいか

    @vIf1EyQiVhXy11t

    類司(🎈🌟)が主の倉庫。
    すいげつ/きんか、あわせてすいかです。

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    ※イラストのみです。文章は「文」で検索してください。

    R-18作品については現在フォロワーさんのみの18高卒↑の方の「リスト」申請で公開しています。

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    すいか

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    生命線占いをしてやろう!と言ってくる🌟の🎈🌟

    お題指定「手を繋ぐ」

    #文

    運勢は手のひらの中「類。突然だが手を見せてほしい」

    登校中の道で司くんがそんなことを言ってきた。

    「それはまた本当に突然だね。いったいどういった理由で僕の手を見る必要があるのかな?」
    「あー、それはだな。そのだな……、咲希の読んでいる雑誌にな、生命線占いというものがあったんだ」

    理由をたずねれば、彼はなんとも歯切れの悪い感じで目線を右へ左へと泳がせた。司くんは聞きたいことや、やりたいことについては胸をはって宣誓のような音量で発言してくれる人だ。だからもうこの態度から、何か発言とは別の思惑があることがありありと読み取れる。
    だが切り出した内容の頭から事態がややこしそうなことではなさそうなので、とりあえず会話を続けてみることにした。

    「寿命を占うのがポピュラーな、あの?」
    「そう、そうなんだ!しかしその生命線占いは星座の運勢占いみたいでな。その日の運勢がなんと!生命線の形で決まるらしい!」

    新しい知識を得た気分からか、ピカピカとしたドヤ顔で司くんはそう言った。
    なるほど。それで僕の手を見せてほしいのか。けれどそれだけならば、あんなに言い淀まなくても言いはずだけれど。明るくなったきみとは対称的に、僕の中の疑問という思考の陰は逆に深まったよ。

    「へえ、でも意外だな。司くんも運勢占いを信じたりするんだね。てっきり『どんな運勢だろうと、最後に信じるべきものは積み上げてきた自分自身!行動するのみ!』って、参考にしないものだと思っていたよ」
    「オレだって星の巡りくらい気にしたりするぞ!そういうことでだ類、良ければ見せてくれないだろうか。このオレが占ってやろう!」

    だから、さあ!と両手を差し出される。いったい何にあんなにどもっていたのか気になるが、まあ司くんのことだし、邪なイタズラをしようとかそんな理由では確実にないだろう。
    好奇心から頭をまわしてしまったが、別にいいか。僕は疑問の陰をそのまま闇の中へと一旦放棄することにした。

    「フフ、じゃあお言葉に甘えて占ってもらおうかな?はいどうぞ」

    両手の上へと僕の片手を差し出す。無防備なそれを司くんは両手でとって、真剣にじっくりと見つめはじめた。右や左にちょっとかたむけてみたり、指を開いてみたり。はじめのうちはちゃんと生命線を見ているんだろうな、という仕草をしていた。
    しかしやがてその行動を止めて、手は離さず見つめたまま何度も揉み始めた。にぎにぎととても熱い手を動かして険しい顔つきをしながら触るのをやめる様子もない。ムムム、と聞こえてきそうなそんな彼に、僕はもしかしてと放棄していた思考から、やがてひとつの結論を導きだす。

    「…………司くん」
    「ハッ!な、なんだ!?」
    「占ってくれるんだよね?結果はどうなんだい?」
    「あっ、ああ!そうだ!えー、あー、えーっと」

    慌てた様子に僕は考えに確信を得る。なんだ、そういうことだったのか。普段は堂々とした彼の可愛い行動に心臓が平常より高鳴っていく。

    「……もしかして、占いの結果はこうじゃないのかな?」

    結果を言えと指摘されて慌てていた彼の、僕の手のひらに重ねられたままの両手の片方をそのまま閉じてぎゅっと握る。握られた手に力がはいって強ばるのがわかった。

    そう、司くん。きみはずっと僕と手を繋ぎたかったんだよね?

    言外にそう言ってあげると、彼は一気に絵にかいたような真っ赤な顔へと染め上がった。



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    related works

    すずめ

    MEMOへーテキスト機能でござるかーってなったので、テストがわりに手元から適当に引っ張ってみました。

    現代びゃくしょーのつもりのやつ。
    詰め込んだ願望
    ・ジェッソトップ2の共闘
    ・戦場で役立つ入江様(大盛)
    ・薔薇の女王呼ばわりされる入江様(特盛)
    ・もうどうにかこじつけて入江様を盛りたい、という産物



    ◆白蘭を選ぶ正一くんの話
    (※ 一部、HEL/LSINGのオマージュみたいなところあります)


    鈍い鈍いと言われたこの頭でも、一度は“それ”を考えたことがある。
    もし彼が《もう一度》を願ったら。
    そのために力を惜しまぬと言い放ったら、と。


    唐突な呼び出しだった。
    指定場所は、見慣れた並中の校舎。
    その屋上へ君臨するように降り立った天使を、綱吉は食い入るように見上げた。

    「どうして! 白蘭!!」
    「だって、ああも見事な完敗って僕、初めてだったんだもの」

    にこりと、現代に戻ってから見てきたような邪気のない笑顔が綱吉へ返される。
    そう、邪気は、悪意は、感じないのに。

    「失敗したら、反省するでしょう? 反省したら、どうすればよかったか考えるでしょう?
    んでね?」
    「…………」
    「どうすればよかったかの算段がついたら、ほら、試したくなるじゃない?」

    両手を広げて、大仰な演者のように、白蘭は笑う。
    けれどきっと、 9612

    すずめ

    MEMOちょっとしょんぼりしてらくがきなんもできなかったけどなんかアウトプットしないとそれはそれで妄想消化不良で自家中毒してくたばるから文字発散でしのいでる

    ◆たつまよで夏のはなし(未完)
    いつぞやのらくがきの、ひまわり畑の前で先輩呼んでるマヨチヤンのあれのつもり
    ひろくん自転車のれなくて特訓したとか
    たつまよラムネのますとか入れたいとこまで届いてないていたらく…
    無駄に長くなるのなおしてえ
    いかにも夏らしい、高い空のひろがる午後だった。
    ひまわり畑のそば。
    麦藁帽の下の顔はぼんやりと、道の向こうに視線を向けて佇んでいる。
    髪色が濃いせいか、白い肌が殊更浮いて見えた。
    頬だけ、外気に当てられて常より赤い。
    咲いたような彩りの造形がやたら眼について、慌てて首を振る。
    胸の内、雑念を追いやるように戒めて、表情を作った。


    「お待たせしました」


    声をかければ、かの人がゆっくりと振り向く。
    大口の袖から覗く華奢な腕が持ち上がり、数度やわらかく手を振って、笑う。


    「暑いですねえ、巽さん」


    ええほんとうに。
    返事は、滞りなく相手に届いたようだ。
    手のひらには、買ったばかりのラムネの瓶が二つ。
    結露はとうにはじまって、瓶を握りこんだこぶしの先からほたほたと水滴が零れていく。
    足を踏み出せばその振動に、硝子のぶつかる硬質な音がからんと鳴った。



    ・夏の話



    結成から二度目の夏。
    ALKALOIDは四人そろって県を越え、とある海浜公園に出向いていた。
    来たる秋に向けて、参加型イベントの公募を盛り立ててほしいという依頼が入ったからだ。
    先行体験する姿を撮影し、感想を残し、 6309

    すずめ

    MEMOこれもなんとなく晒しちゃう
    いつぞやのスレミク(https://poipiku.com/150116/2641897.html)を漫画にしようとしてくじけて文章で……ってなってこれだけ進めて忙しくてやはりやさぐれてしまった、冒頭も冒頭の冒頭
    ◆スレイを探す、とある天族の話。




    目覚めた。


    そう、目覚めた。それだけがはじめの意識だった。ここがどこかはわからない。少し視線を動かすと、あちこち崩れた天井のむこうで、澄んだ青が高く見下ろしている。空だ。しかも昼の、晴れた空。なんだかそれにひどくほっとして、ほう、と息をつく。数回瞬いた。見える。問題ない。自分の意志で視界を動かせる。途方もないことだった。――――? そうかな。途方もないことだったかな。だって、見えるってそういうものではなかったろうか。青空があって、それを見ることができて、そんなのって、珍しかったっけ? わからないなあ。でも。でも。でも。



    背を起こそうとする。
    そういうものだと言わんばかりに、体が無意識にそうしようとした。
    が、阻まれた。ぐぇ、と首元がなにかに引っぱられる。
    わからないので、首を傾げた。耳元でなにかがふさりと揺れる。
    引っぱられた気がしたのだけれど、周囲に自分以外がいる気配はとんとない。
    では何が原因で起き上がれなかったのだろうか。
    右を向く。
    左を向く。
    寝そべっているのは地面だ。
    地面には天井からの落下物や、壁から剥離した装飾物がぼろ 2745