甘えられるのに弱い鯉月 その休日は、珍しく何処かへ出かけようという予定が無かった。前日の夜、月島は一応鯉登に「明日どうします?」と寝床で尋ねてはいたのだが、明日が休みという開放感で盛り上がってしまい、明日の予定などそっちのけになってしまっていた。
そんなわけで予定らしい予定を決めることなく、平日よりちょっと遅く起床し、平日よりゆっくりと朝食をとり、今は洗濯機のスイッチを入れたところだ。月島は寝室へ行って、充電しっぱなしになっていた携帯電話をチェックすることにした。充電は完了していたので、アダプタを外して携帯を手にリビングへ向かう。
「月島ぁ、今日どうする?」
「あー……そうですね……」
横長のソファへ寝っ転がって、携帯の通知一覧に目を通してみたところ、メッセージが数件入っていた。いくつかは読みもしない宣伝の類いであるが、一件は無視できないものだったので、月島は鼻でため息をつくと、寝転がったまま顔の上で文字を打ち出した。
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