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    rvR2EtMic

    雑多

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    rvR2EtMic

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    イデケイで初めて書いたエロ。ぬるい。

    step by step 1side I.




    「ねぇ、イデアくん。明日は出掛けたりする?しないよね?……今日泊まってもいい?」
    「…は?!」

    昼休み明け、昼食後に襲いくる眠気を必死に堪えながらこなした授業が終わり、安堵して教室を出た所で声を掛けられる。思わず普段より大きな声が出て、振り返れば少し気まずそうに視線を逸らす恋人が居た。

    何があったか話せば長くなるけれど、この陽キャと僕は一ヶ月程前に『恋人』になっていた。

    恋人になる前は恐怖を覚える程押しが強かった彼は、関係を改めた途端に性に無知な子供のようになってしまった。手を繋いだり頬を寄せ合うようなことしか求められない。経験の無い僕も、自らそれ以上の恋人らしい進展を求める事は出来ていなかった。

    未だに付き合っている事が信じられないとはいえ、恋人に対する欲は僕にも湧いてくる。一ヶ月経ってキスすらまだって今時有り得る??…けど、自らそれを打ち明けるなんて難易度星5もいいところ。

    そこに、本日ケイト氏からの突然の誘いである。

    いやいや、突然何言い出すので?明日は休日で、仮にも……付き合ってる……相手の部屋に泊まるって事はそういう事に至る可能性99%では!?そもそも拙者にだって休日の予定くらい………無いっすな!!!!

    「…で、出掛けない…けど、」
    「じゃ、部活終わったら行くね?DMする」

    ———泊まっていいとは言ってないんだが。
    その言葉は実際には吐き出されず、部活に向かう彼の背中を見送って会話は終わってしまった。
    そういう行為に至る可能性があるのなら準備をしておくべきなのだろうか。準備万端でいかにもな雰囲気を出し過ぎるのも引かれないだろうか?どうしたらいいのか分からないまま、心の中で悶絶しながら僕は一足先に寮へ帰ることにした。


    「今日暑かったじゃん?久しぶりにギターの練習してたら汗だくになっちゃったからシャワー浴びてきちゃった、遅くなってごめんね」
    部活を終えたケイト氏から、今から行くと連絡が来た頃にはとうに陽は暮れていて21時になろうかという頃。寮の入口まで迎えに行くと、シャワーの後に髪を乾かさなかったのか、まだ少し湿っている髪を揺らす彼が居た。濡れたままの髪は癖が出ていて、普段よりもウェーブがかかっている気がする。

    「別に拙者は構わないですけど。ゲームしてましたし、どうせ深夜まで起きてますし」
    「だよね〜、知ってる☆イデアくんがこの前言ってたゲーム、オレも始めたから一緒にやろうよ」
    他愛も無い会話…というより、ケイト氏から一方的に言葉をぶつけられながら自室へ向かう。これも恋人になる前から変わっていない。

    ケイト氏を見送った後、寮へ戻ってから服が溢れて開けっぱなしになっていたクローゼットの扉をどうにか閉めて、散乱していたゲーム機のハードはせめて見栄えが良くなるように陳列した。皺が寄り乱れまくっていたベッドシーツも久しぶりに取り換えておいた、念の為。これは自室にケイト氏の座る場所がベッド以外に無いからであって、決してそういうことを期待しているわけじゃない。
    ここまで仕上げるのに一週間分の気力と体力を使った気がする。

    これから朝になるまで、弟以外が入ったことの無い僕の部屋にケイト氏が“居る”のだ。


    「そういえば、イデアくんお風呂入ったの?まだならそろそろ行ってくれば?」
    自室にあるゲームを二人で一通り遊び倒せば、既に日付が変わりそうで。ゲームを介せば意識せず楽しく過ごせるのに、それが無くなった途端短い返事すら吃ってしまう。
    「え、アッ…そ、そうだね……」
    ケイト氏に促されてシャワーを浴びる。
    ここまで来ると残るは寝るだけ、普通の友人であればそうだろうが自分達は友人では無い。仮にも恋人、なのだ。
    シャワーヘッドから絶え間無く降り注ぐ湯を受けながら、漫画みたいな展開を期待している自分と、そんな展開は有り得ないと拒否する自分との押し問答が始まる。期待している自分のせいで、身体の中心が熱を持ってしまいそれを処理する為に風呂の時間がいつもより延びた事は誰にも言えない。



    「…あ、イデアくんおかえりー」
    部屋へと戻ると、既に目蓋を重くしているケイト氏がベッドに寝転んでいた。元々垂れた目じりは眠たげに細められている。

    ———男二人で狭いそのベッドで寝る気なのか?正気?警戒心とか無いのかよ。

    「ケ、ケイト氏……ベッド、狭いから…僕は床で寝る」
    「えっ?!いや、それならオレが床で寝るよ!」
    「客人を床で寝かすなんて多分オルトにバレたら怒られるから。そ、それに…いっ、一緒に寝る、とか…ケイト氏は嫌だと思うし…!」
    ラスボスのように立ち塞がっていた難関。それをクリアすべく早口に言葉を並べれば、リーフグリーンの瞳が真っ直ぐにこちらを見た。じっと見つめられているのが目を合わせなくても分かる。実際には数十秒もなかったであろう沈黙が、永遠のように思えるくらいの緊張が僕を襲う。

    「……大丈夫だよ?」

    君のいう大丈夫は何を指すのか?脳内はいやに混乱していて答えを導き出せない。

    「…ねぇ、イデアくん?一緒に寝よっか」

    そもそも正解が何なのか、僕は知らない。


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