終幕の鐘で始めて 高校を卒業したあと、オレと類はそれぞれ大学へ進学した。
オレは役者を、類は演出をより極めていくために。
高校の比ではないくらいにお互いが多忙になってしまい顔を合わせる機会は減ってしまったが毎日連絡はとっているし、時間が合うときはデートを重ねていた。
今何を学んでいるかだとか、こういう演目をしただとかを語り合って、最後には必ず
「最高のショーをしたいね、司くん」
と類は笑ってくれるのだ。
類との交際は高校3年の夏あたりから始まっていた。
類から告白をされて、少なからず同じ気持ちを抱いていたオレが頷いた。
役者と演出家、仲間の枠を超えてしまうことに少し不安はあったが、関係は順調に進んでいる。
手を繋ぐのも抱き合うのもキスをするのも、その先も。
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