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    ちょっとした仕掛けをしているので、あれ?と思うかもしれませんが、正解です🙆‍♂️笑

    #アイツのBLマンガ
    blMangaByAitsu
    #五相
    fivePhases

    五十嵐祐希の話?俺は、好きな人がいる。名前は相田勝平という。出会いは中学だった。高校に入って、ようやく同じクラスになれたから、これがラストチャンスだと思っている。高校生の1年間なんて瞬き程度の速さだろう。やれることは全部やりたい。例え見込みがなくても。

    今日も俺は、なけなしの金で買った購買の牛乳と引き換えに、親友に恋愛相談にのってもらう。この親友、名前を仮にイケメンとしておこう。(理由はもちろんイケメンだからだ)
    イケメンとは、今年になって初めて同じクラスになった。イケメンは彼女にゾッコンらしい。面倒がられているのは分かっているけれど、他に話せる奴もいないからいつも無理矢理相談にのってもらっている。

    「今日も可愛かった…黒板消すのに背伸びしてる姿、まじ天使…」
    「いつも聞くけどさ、お前の好きな奴って誰なんだよ?」
    「それは秘密!同じクラスとだけ言っておく」

    いつものように誤魔化すと、そこまで興味がある訳でもないのだろう。イケメンは追求することもせず、牛乳をずぞぞ、と音をたてて早々に飲み切って、ゴミをノールックでゴミ箱に投げ入れて俺に背を向ける。

    「あれ、もう行くのかよ」
    「恋人と待ち合わせ。貴重な昼休みなんだから」
    「ちぇ、お熱いことで」

    イケメンはどんなに惚気ても絶対彼女の写真は見せようとしない。独占欲の固まりのようなやつだ。俺は相田一筋だから、別に奪ってやろうなんて思ったりしないのに。
    一人でいても暇だし教室にでも戻ろうかと思った時だ。

    「ああ、いた。先生が日直が次の授業の教材運べって。僕とお前だろ?」



    どうやら今日の俺はついているらしい。教材庫で相田と二人きり。近付くと、いつもは気が付かない柔軟剤の香りがする。どこかで嗅いだことのある匂い。つい最近だった気がするけれどどこだったか。

    「そっち持てるか?」
    「おう、お前は大丈夫か?」
    「力には自信があるから」

    知ってるよ。いつもお前のこと見てたから。言った通り軽々と教材を持ち上げた相田は俺の数歩先を歩いていく。
    本当は隣を歩きたいのに、俺のことなんて眼中にもないのだろうか。こんなに好きなのに。

    今日に限って教材は少なくて、すぐに運び終わってしまった。


    「これ、先生がお礼だって」
    相田の手には缶ジュースが二つ。喉も渇いていたし有難い。

    「オレンジジュースとコーラ、どっちがいい?」
    「あ、じゃあオレンジで」

    相田は、右手に持ったオレンジジュースの缶をこちらにひょいと投げて、自分はコーラのプルタブを片手でひく。ぷしゅ、という炭酸の抜ける音。男の俺から見ても、その仕草は惚れ惚れする程かっこいい。そのまま缶を傾けて、液体を流し込む。ごくりと動く喉に見惚れていたのがバレてしまったのだろうか。視線があったかと思うと、「なに?」と まっすぐ目を見て問われるから思わず黙り込んでしまった。
    相田は、話す時、絶対人の目を見る。そういう風に教えられてきたのかもしれないし、本人は全く無意識なのかもしれない。でも、その目に見つめられて、勝手に期待してしまう人は俺以外にもいるのではないかと思う。

    「俺、お前の事が好きなんだ」

    口から自然にでたのはずっと言えなかった言葉だった。
    こんなタイミングで言うつもりはなかったのに。もう自分の中で留めておくのは限界だった。

    相田は一瞬驚いた後、やっぱり、まっすぐ俺の目を見て言った。

    「ごめん、好きな人がいるんだ」

    なんとなくそんな気はしていた。視線は幾度となくあったとしても、気持ちに触れられたと思えたことはなかったから。

    「好きな人って、付き合ってるのか?」
    「うん。付き合ってる」

    いつも見てるのに、それは知らなかった。

    「一個だけ聞いていい?」
    「……いいよ。なに?」
    「ソイツとはいつから付き合ってるんだ?」
    「高2の夏、かな」

    そうか。そんな前から。俺は1年ほど遅かったということか。

    「俺の入る余地はなさそうだな」
    「ごめん、でも…ありがとう」

    それならば、俺は相田の幸せを願うよ。これからも、ずっと。


    こんな時は、俺の親友に話を聞いてもらうしかないだろう。
    教室に戻って、真っ先にイケメンの背中に飛びつく。

    「何するんだよ」

    ふと違和感。なんか不機嫌じゃないか?
    問いただしてみると、どうやら昼休み、彼女と会えなかったらしい。
    そんなことより今は俺の話だ。

    「俺、失恋した。慰めろ」
    「え、まじで」
    「彼女持ちだったよ」
    「お前の好きな人って誰だったんだよ?」
    「相田だよ」
    「え?相田って、あの、学級委員の?」

    もう失恋したことだし言ってしまおう。とにかく吐き出したくてたまらなかった。

    「そう。そういえばお前は去年も相田と同じクラスじゃなかったか?」
    「あぁ…うん、そうだな…」
    「俺も同じクラスになったのが去年だったら勝ち目あったのかなー」
    「いや、変わらないと思うぞ」

    イケメンは即答する。

    「…お前励ます気あるのかよ」
    「励ます気はあっても譲る気はねーよ」
    「…は?何言ってるんだよ、五十嵐」

    イケメンこと、五十嵐からは相田と同じ柔軟剤の香りがした。
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