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    rion_bran

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    POIPOI 26

    rion_bran

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    【登場】
    ベリアン・クライアン
    女主様

    【あらすじ】
    とある夏の海でのお話。
    是非お楽しみいただけたら幸いです。

    【その他】
    後日ネットプリントで頒布予定。
    オンリー終了後pixivにて公開予定はありません。

    #aknkプラス
    aknkPlus

    幸せのシーグラス遠くに見える貴女を見ていた。

    貴女は他の執事達と波打ち際で遊んでいた。

    楽しそうだな。私も一緒に遊びたいな。

    そんな我儘は胸の奥底にしまい込んで

    私は離れたところから

    太陽のように眩しい笑顔の貴女を見つめていた。

    ザプンと波が勢いよく海に飛び込めば、広い海に吸収され、サラサラと穏やかな波へと変化する。

    貴女は押し寄せた波を、上機嫌に蹴りながら声を出して笑っていた。

    楽しそうに過ごす貴女を見れて一安心した私は、本へと視線を落とす。

    別に今読まなくてはいけない訳ではないけれど、あまりジロジロ見るのもいけないと思い始めた読書。
    けれど話の内容は、頭の中に入ってこなかった。

    「ベリアン」

    遠くで私を呼ぶ声がした。
    視線を上げれば遠く離れた所にいる貴女と目が合った。

    貴女は私の名前を呼びながら私の方へと走ってくる。

    「どうかしましたか?」

    私が用件を尋ねれば、貴女は宝物を見つけた子供のように目を輝かせながら、握られた拳をパッと開いた。

    「みてみて!砂浜でみつけたんだよ!」
    「これは…シーグラスですか?」

    シーグラスとは長い年月をかけて波に揉まれ角が取れたガラスの欠片のこと。
    自然の力によって生み出されたことから、不思議なパワーが宿っていると考えられている。
    太陽の光に反射し、キラリと輝くマゼンタピンクの硝子片。

    貴女はその欠片を私の瞳の高さまで掲げると、ふわりと微笑み言った。

    「やっぱりベリアンの瞳みたいで綺麗」
    「私の瞳みたい…ですか?」
    「うん。見つけたときに真っ先にそう思ったの。ベリアンの瞳みたいだなって。」
    「それは少し照れてしまいますね」
    「ふふっ。お顔が真っ赤だよ?」

    貴女は私を少しからかった後、シーグラスを私の手に握らせた。

    「これはベリアンにあげる。」
    「おや…いいのですか?」
    「うん。さっきミヤジが教えてくれたんだけど、この地域ではこの色のシーグラスは珍しいんだって、だからベリアンに持ってて欲しいんだ。」

    貴女は恥ずかしそうに微笑む。

    「じゃあ、私は戻るね」
    「はい。ありがとうございます。主様。」

    貴女の後ろ姿を見ながら、私は握られた宝石をぎゅっと握りしめた。

    この地域ではシーグラスは、幸運のお守りとして持ち歩く人が多い。
    シーグラスを相手に渡すという行為には、その人に幸せになってほしいという願いが込められている。

    (主様はこの事を知っていたのでしょうか?)

    皆のもとに駆け寄った貴女は
    ムーちゃんから、
    「渡せてよかったですね!」
    と、言われ少し恥ずかしそうに頷いている。

    浜辺の宝石に残る貴女の温かさ。
    私はそれをもう一度握りしめ小さく

    「ありがとうございます。」

    と、呟けば偶々目線をこちらに移した貴女と目が合った。

    貴女はニコッと微笑みながら、小さく口を動かしていた。

    "幸せになってね"



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    rion_bran

    MOURNING【登場】
    ベリアン・クライアン
    ベレン・クライアン
    ルカス・トンプシー
    ミヤジ・オルディア
    ※主不在

    【あらすじ】
    ベレンが目覚めてから数日後のお話。
    後はタイトルの通りです。
    最年長組がオムライスを食べていたら可愛いな…という想像で書きました。
    是非お楽しみいただけたら幸いです。

    【その他】
    オンリー終了後pixivにて公開致します。
    最年長組がオムライスを食べるだけのお話ベレン・クライアンが目覚めてから数日後の昼。
    彼はベリアンと共に食堂へと足を運ぶと、ロノから出来たてのお昼ご飯を受け取り、隣り合うように席に座った。

    トレーの上には、黄金色の卵に包まれたオムライスと、わかめスープ。
    バターと卵の優しい香りとケチャップの甘い香りが食欲をそそらせるように鼻をくすぶった。

    「オムライスなんていつぶりだろう?すごくおいしそう。」
    「幼い頃にお父様が作ってくれましたよね。お父様のオムライスも絶品でしたが、ロノくんのオムライスもとても美味しいですよ。」

    彼らの育ての親。
    ゴエティア・クライアンがまだ元気だった頃。特別な日には必ずオムライスを作ってくれた。
    ゴエティアの死後はその役目をベレンとベリアンが引き受けていたが…卵で巻くひと手間かかる料理故、わざわざ自分達の分は作らなかった。
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