沁みて届けよその言葉「1号、好き!」
「……」
「ね~?ちょっと聞いてる?」
「……」
「1号、だーいす」
「五月蠅い」
「ブベっ…っ!痛いなぁ!」
チョロチョロと自分の周りを妙なポーズを取りながら動き回る2号の頭を1号は掴んだ。
全くもって落ち着きが無い。
自分の後に生まれた2号は自分とは全く性格が違った。
人造人間といえど、感情もあれば性格だってある。
ヘド博士の考えは自分たちなどでは到底わからないが、この2号のようにお調子者、というのはいかがなものかと思わないわけではない。
人間のまねごとのように「好きだ」と繰り返した2号に1号は呆れるとその手を離した。
「そんなこと言って何になる」
「何に?さぁ?言いたいから言ってるだけだよ」
「バカバカしいな」
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