貴方と添い遂げたかった。その日はやけに蒸し暑かった。三蔵一行は次の村に向かうため荒野を駆け抜けていた。
一応妖怪に大人気なお尋ね者という事もあり
手近な布で顔をくるんでいなければならないのだが、
その布を引き裂きたいくらいには暑かった。
次の村まではまだ遠い。
じっとりとまとわりつく布と熱気に、息苦しさを感じる中八戒はジープを走らせる。
すると不意に視界に入るものがあった。
距離的には遠いが
広い荒野の中にぽつんと村がある。
そろそろ日陰に入りたい三蔵一行は、予定とは違う小さな村に向かってジープを走らせた。
村は遠くで見た時の印象よりも小さかった。
村の周辺を囲うような堀なども存在せず
妖怪の襲撃に合えば一溜りもないだろうと感じた。
村の人間もその自覚があるのか、
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