ドラルクは8割入れた「ギィーーーーーー!!」
骨ばった拳を机に叩きつけるより前に留めてやる。
「何してんだよ反作用で死ぬくせに」
「止めてくれるなこの攻略済みチョロ男が!」
「今日は何の喧嘩を売りたいんだよテメーはよ」
自由な方の、まさしく棒切れの腕を振り回しながら普通なら滅多に聞かない類の貶し文句を吐く。軽く殺して混ぜる用の水道水をコップに入れれば、ドラルクは焦ったように声を上げた。
「いや待て!別に君はそこまでチョロくはない!君の攻略難易度の低さはこのドラちゃんの家事と余暇を楽しむ腕あってのもので」
「常に自画自賛を怠らないのなんなの?」
すぐに死ぬ肉体の脆弱さと真逆の精神性を有する男の塵を、掬っては落とし救っては落とす。
「ヴァッやめ、砂時計みたいにスナァ」
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