日常でしかない朝目覚めると、隣に彼の背中が転がっていた。いつもなら私よりも早く目が覚めてランニングに出かけているのに、今日は珍しくこの時間になっても眠りこけている。
彼の規則正しい寝息を確認すると、起こさないようにそろそろとベッドを下りる。そのままキッチンに向かう。オーがどこからか持ってきたコーヒーサーバーに専用のポーションを入れ、タンクに水を注ぐ。昨日買ってきたパンを薄くスライスし、トースターに2枚入れる。フライパンに火をかけ、ベーコンを熱し、その上に卵をふたつ落とす。焼いてる間にキッチン横の小窓を開ける。夏が終わりかける時の涼しい風が室内に入ってくる。レタスをちぎり、その上に焼けたベーコンと目玉焼きを皿に盛る。チンと音がしてトーストが飛び出る。それぞれを別の皿に盛り付けると、サーバーからピーピーと音が鳴った。カップをふたつ取り出し、ひとつをサーバーの下に置き、スイッチを押す。
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