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    meepoJlo

    @meepoJlo

    呪術の狗🍙棘 夢小説をこそこそ書いています。

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    ゆたりか

    またね⚠️若干ですが本誌ネタバレを含みます。(2022.3.7)
    自己責任でご覧下さい。




    ***



    「またね」
    と告げたあの日から。

    糸が切れた風船みたいに、
    ふわりふわりと漂う中で。

    うつらうつらと眠りに付く。



    目が覚めた時、私はその交差点にいた。

    憂太は抱えた赤と白の花束を手に、里香を見つめていた。


    「17歳おめでとう。里香ちゃん」



    11本の赤い薔薇とかすみ草の花束。
    憂太は膝を折って、電柱に花束を置いた。

    ありがとう。

    そう告げた言葉はもう、憂太に届く事はない。
    憂太は花束を見て優しく笑う。
    少し大人びた表情の彼は、それでも今年も変わらずに笑ってくれる。


    ありがとう。

    里香はその手を伸ばして、憂太の首に絡みつく。


    大好き。

    またね。







    目が覚めると、そこにはいつも憂太がいた。


    『 おいで、リカ 』


    真っ赤なネイルに真っ赤なリップ。
    気付いてくれるかな。

    ゆっくりと里香はその手を伸ばす。
    白く長く、細い手を。

    その首に。
    身体に。

    絡みつくように彼を抱きしめる。
    その言葉はもう、その手はもう、憂太に届く事はないと、知っている。

    またね。



    17歳おめでとう。
    憂太。










    「最愛」

    「貴方を愛しています」

    「永遠の愛」







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    nnmnchudock

    MAIKING記憶喪失になった七と、じゃあ(傷つきたくないし)にげちゃおーした恋人の話 前半
    (後半は七視点で夢主を追い詰める話)
    #じゅじゅプラス
    「私からはなんと申し上げて良いか……」

    申し訳なさそうに背を丸める伊地知潔高の肩をぽんと叩いて笑みを作った。わらえ、わらえ。そう強く自分に言い聞かせれば、意外と表情筋はきちんと仕事をしてくれた。
    「何も言う必要は無いよ。きれいさっぱり忘れたんなら、そのままで。その方が建人のためでしょ」

    ✕月✕日 東京都内✕✕学校内に発生した一級相当の呪霊祓除時発生した事故により、東京校所属七海建人一級呪術師の記憶障害が起きたと見られる。

    呪霊の術式効果により✕月✕日から一年前までの記憶の喪失が確認され、現在──




    恋人の記憶が無くなった。そう知らせを受けあわてて自分の家に帰り、七海建人の私物をかき集めた。キャリーケースに詰め込んで、手伝いを申し出てくれた伊地知潔高の運転で恋人のマンションへと向かった。

    「いいのですか、きちんと七海さんに話せば分かってくださると思うのですが」
    「やー伊地知さんは分かってないよ。一年前って建人が高専に戻ってきたあたりでしょ。
    もーモテにモテまくって凄かったの忘れた?」

    一年前と言えばまだ普通の同僚だった時だ。
    跡継ぎの男子に恵まれなかった家からぜひ婿に、 1602