長い溜息のヌコ「はあああ…………」
「……えっと何だい、ベナウィ?」
つい数日前。
馬車によりひっそりと皇都へと帰還したのは、この國の始祖皇であり、オンカミヤムカイの影響色濃い地域では誰よりも尊い存在であった。
三々五々にかつての仲間たちや家族が只人となった男の帰りを喜び、涙した。
ただその帰還の儀式が……ひっそりと城内の裏手であったのは幸いした。
「あーにーじゃああああ!!!!」
「うわああっ兄者様だ!!」
「兄者様っっっ!!エルルゥ様も!」
「主さま!?ほんもの、ですのっっ!?」
「ま、まさか我らカルラウアトゥレイの恩人である彼の方か!」
「聖上っ 聖上でありますか!!」
「おとーさん!」
「ガルルルぅぅぅ!!」
「お、おじさまあああ!!!」
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