熱と、鼓動(若しくはその両方)熱と、鼓動(若しくはその両方)
どうしてこうなった。
眼の前に敷かれた一組の布団を前に、月島は悩んでいた。一組の布団には仲良く並べられた二つの枕。
「月島……」
横から声を掛けられ、ハッとなる。明らかに緊張して上擦った声だ。
まだ青い畳の上に二人して正座して、互いの出方を探っている。
この場を上手く躱す方法を、月島は瞬時に三通り考えていた。なんと答えれば一番穏便に済ませられるか。
しかし、まるでそれを予測したかのように、唇を噛み締めて鯉登が膝に置いた拳を強く握り込むのが横目で見えた。
この人を傷つけたい訳じゃない。
今はため息一つで誤解が生じる恐れがある為、喉の奥でそれを殺す。
裏の通りで猫が鳴いて誰かを呼んでいる。いつも鯉登が可愛がっている斑のアイツだろうか。
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