よくある異世界召喚の話突然、足元に見た事のない魔法陣が広がる。咄嗟にそばに居たグリムを魔法陣の外に投げ飛ばすと、デュースが受け止めるのを確認した。
エースやジャックが手を伸ばすが、光の壁が邪魔をして届くことは無い。
ふわりと身体が浮き、強い光が全身を包み込む。
「ユウ!」
グリムがデュースの腕から飛び降り駆け寄る姿を最後に視界に収め、監督生は光の中に閉じ込められた。
「おぉ!成功だ!」
「まさか二人も呼び出せるとは!」
「これでこの国の平和は保たれる!」
一瞬の浮遊感は直ぐに治まり、冷たい地面に足が付く。光が弱まり瞬きを数回すると、目が慣れて辺りの様子が視認できるようになった。
広く天井も高いがどこか薄暗い部屋。石造りの床には赤い絨毯が真っ直ぐ敷かれていて、その先には絢爛豪華な椅子が二つ。
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