理由→白いから……………どうしてこうなった。
鶴丸は、気がつけば物吉貞宗、亀甲貞宗と共にちゃぶ台を囲んで座っていた。
二振りはニコニコと笑みを浮かべている。
「な、なあ……何か、珍しい組み合わせだな?一体どうしたんだ?」
「はぁ……聞いてくださいよ鶴丸さん…。」
「何があったんだ?」
物吉が深いため息を吐く。
彼がこんなに気落ちしているのは珍しい事なので、鶴丸はわりと真剣に話を聞いた。すると…
「太鼓鐘君が居なくて、寂しいんです………。」
「……………は?」
まさかそんな答えが返ってくるだなんて、予想外の驚きだった。
凄く真剣な悩みかと思ったのに、しょうもないというか……。
「きみたち、ふざけて……」
「いえ!断じてふざけていません!!これはとても重大な問題なんです!命に関わるんです!」
「い、命?…いやそれをふざけてるって言うんじゃ」
「実は、最近……」
「おい話を聞こうな?」
「太鼓鐘君、修行から帰って来てから、出陣にひっきりなしで……夜も夜戦で居ないし、今日だって一緒にお茶をする約束をしていたのに、急な遠征が入って………。」
貞宗は同室だが、確かに最近は忙しそうだった。
主は最近、修行済みの短刀の練度上げを中心に行っているそうだから、それでだろう。
そういえば、一期一振も弟たちが居ない、寂しいと嘆いていたか。
「太鼓鐘君が居なくて、寂しいし何だか落ち着かないんですよ。
違和感があるっていうか………だから、もう一振り誰か呼ぼうってなりまして。」
「ーーそれで俺を呼んだと?」
「はい!」
「いやしかしなあ………貞坊の代わりだと言うなら、俺よりもっと他に適任がいるだろうに…………何故俺なんだ?」
「白いからです!」
「そうか!白いからか!それならまあ仕方ないな!はっはっは!」
「良くないよ!!!」
スパアンッ!!と勢いよく襖が開く。
「光坊!?」
「それで納得する鶴さんも鶴さんなんだよ!そこはツッコむところなんだよッ!」
「あ、燭台切さんも茶菓子、一緒に食べます?」
「喜んでッ!」
その後、四振り仲良く話しながらお茶をしました。(伽羅ちゃんは貞ちゃんと遠征中)
おしまい。