🔮🐑が逃避行で朝日見て温泉に入る話♨+α次の日の夜明け前、Fulgerは1人ベットから起き出して周辺を探索していた。
浮奇が起きた時に気づくよう、デスクに備え付けられていたメモに「少し歩いてくる」と書き置いてベッドのヘッドボードに貼り付ける。
昨夜降りた無人駅の前を通ると、赤茶色の毛並みの猫が伸びをしているのが見えた。
ふといつも馬鹿なことを言い合って笑っている学友のAlbarnが脳裏によぎった。
彼は明日学校に登校して、浮奇と俺がいないことをどう受け止めるのだろうか。
きっと楽しそうな事をやっているなと笑い飛ばすのだろう。
何事も、どこか人よりやりすぎてしまう俺をなんだかんだ気遣ってくれる彼には感謝しかない。
自分でもダメ人間なんだろうな、という自覚はあった。周りが恵まれているだけで自分自身にはなんの特性も価値もないのだとずっと思っていた。そんな俺にも普通の距離感で接してくれるalbanの存在は俺にとっては大きかった。
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