夏祭り 高校生活最後の年の夏休みも折り返しが過ぎた頃、すでに学校から出ていた課題を終わらせた降谷が受験に向けての勉強に勤しんでいると、そばに置いていた携帯から着信を知らせるメロディーが流れた。流れたメロディーは景光専用に設定しているもので、握っていたシャーペンを置いた降谷は画面を見ずに通話ボタンを押す。
「もしもしどうしたんだ?ヒロ」
「突然ごめんねゼロ、あのさ週末にあるお祭りに行かないか?」
週末にあるお祭りといえば景光と降谷が通っていた小学校で毎年開催されているお祭りだ。小学生の頃は毎年2人でお小遣いを握りしめて遊びに行っていた思い出が蘇る。中学生になってからは自然と足が遠のいていたので唐突な誘いに少し驚きながらも答える。
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