Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    やか(ヤカ)

    いろいろ詰め込む用
    一次も二次も健全もエロも。メギドが多いかも。
    X(旧Twitter):@mooncross215

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 41

    やか(ヤカ)

    ☆quiet follow

    御都合幻獣の発情ウァプ
    ウァプソロ仕立て
    力尽きた

    ##ウァプソロ

    「あの化け物には触れるな。正気を失う」

    ウァプラは自身の領地にある森で小さな化け物がでると話を聞いた。
    近くを通りかかった商人が使用人であるディオに伝えたことから発覚した。
    森は領地の外れに位置し、生態系の健康状態も良く、村や街から離れているためヴィータも近寄らないことで見回りの頻度を低くしていた。
    「チッ……」
    ディオが用意した食事を手短に済ませ、武器を手に取り、すぐさま森に向かった。

    *****

    森に着くと、すぐに違和感を覚えた。
    もう暑さが収まり涼しい気候になってきたというのに、獣たちの悩ましげな声が聞こえる。まるで繁殖期のようだ。
    少し歩くと見慣れない生き物の死骸をすぐに見つけた。
    キノコ型の幻獣だ。熊のような獣に潰された跡があり、小さく萎みきっている。
    見回すとすぐにキノコ型の幻獣を1匹見つけた。ふっくらと丸い。
    黄色い鳥頭が頭をよぎったが、すぐさま武器を振るい、傷を負わせた。
    しかし、幻獣はすぐに逃げ出した。
    「逃がすか」
    後を追うが、逃げ足が速く、なかなか追いつけない。
    すると、1匹の幻獣が2匹に分裂した。
    (攻撃を食らうと殖えるタイプか……クソウゼェ……!)
    一撃で倒す必要がある。2匹を追い詰め、一気にまとめて掻っ切った。
    倒れた幻獣は分裂せず、その場で動かなくなった。
    素早く分裂が厄介だが、防御力は低い種のようだ。倒すことは容易い。
    (……最初に見つけた死骸はもっと縮んでたな……)
    観察しようと近寄った瞬間、幻獣の死骸が大量の胞子を撒き散らした。すぐにマントで顔を覆う。
    視界を覆うほどの大量の胞子に思わずむせ込んだ。
    (毒か?麻痺か?)
    その場を離れ、身体の状態を確認したが特に異常は見られない。
    ウァプラは舌打ちすると、森の見回りを続けた。

    *****

    「あれ? ウァプラ?」
    正面から見覚えのある集団が歩いてきた。アンドラス、マルファス、シャックス、ブネ、バルバトス、そしてソロモン。
    ソロモンをみた瞬間、ウァプラは身体に違和感を覚えた。
    「……?」
    「ウァプラ?」
    「いや……ここは俺の領地だ。むしろオマエらがどうしている?」
    「この辺りでゲートが発生したって情報があったから閉じに来たんだ」
    「ああ……なるほどな」
    おそらくキノコ型幻獣はそのゲートからやってきたのだろう。
    冷静に考えようとしていた。
    だが、身体が熱くて仕方がない。心音がうるさく、下半身に熱がたまる。
    「ウァプラ、なんか体調悪い? 息もあがってるし、顔も赤いよ」
    覗き込むようにソロモンが顔を近づけてきた。
    「チッ……」
    ウァプラはその場にしゃがみ込んだ。
    「ウァプラ」
    「近寄るな」
    駆け寄ろうとしたソロモンにすぐさま静止の声をかけた。
    獣に潰された幻獣、大量の胞子、発情期の獣たち、そして自身の症状……あの幻獣の胞子の効果は推測がついた。
    「俺から距離を取りつつ、話を聞け。この森にいる幻獣について話す……」

    *****

    「は、発情……胞子……?」
    ソロモンは顔を染めながらウァプラの話を飲み込んだ。
    同行していたアンドラスがウァプラの状況を確認し、治療できるか確認したが、毒などと異なり、治療は出来なかった。
    「気が済むまで出せば治まると思うから、毒とかよりもマシかもね」
    ウァプラは木にもたれ掛かり、小さくうずくまっている。
    「発情期が頻発したら生態系に影響する……狩り尽くさねぇと……」
    すぐに駆逐に向かいたいが、立ち上がれない。興奮を抑えるように奥歯を噛み締める。
    マルファスが眉間に皺を寄せた。
    「このまま村に出られても危険だ。簡単に倒せるなら、普通のヴィータでも倒せる可能性がある。ウァプラならまだしも、一般人なら胞子にあてられて犯罪を犯すかもしれない」
    「どゆことどゆこと?」
    「お前は黙ってろ」
    ブネはソロモンに近寄った。
    「ソロモン、どうするつもりだ?」
    「ゲートはもう閉じたし、幻獣退治かな」
    ウァプラと会った場所がゲートの発生場所であった。
    「ふむ。いいだろう。じゃあ、俺は抜けてウァプラを担いで家に返してくる。幻獣は弱そうだが、このまま置いておくのは」
    「だ、だめだ!」
    声をあげたソロモンにブネは目を丸くして首を傾げた。
    我に返ったソロモンは肩を竦めて言い淀んでいる。
    バルバトスがすぐにブネを引き寄せた。
    「ブネ、知らないのか?」
    「何をだ」
    「ブネブネ知らないの? モンモンとプラプラはラブラブなんだよ」
    「……っ」
    「だから、ソロモンもあんな状態の恋人を放っておけないし、他の人に連れていかれるなんて嫉妬するに決まってるじゃないか」
    ブネは事実に驚きつつ、小さく頷いた。
    「俺のことはここに置いていけ……鎮まったら自分で動く……幻獣退治をするなら、同性のみにしろ……。ヴィータを増やすんじゃねぇ……」
    「そんな簡単には増えないが、その意見には僕も賛成だ。シャックスは帰れ」
    「えー! マルマルと一緒にキノコ狩りするするー」

    *****

    幻獣退治にいくソロモンたちを見送り、ウァプラは1人その場に残された。
    深呼吸し、乱れた呼吸と思考を整える。
    しばらくすると、なんとか立てそうなところまで落ち着いた。
    (屋敷に戻ってから立て直すか……)
    歩き出したが、服が擦れる度に熱がぶり返す。
    目を閉じればソロモンの姿が浮かぶ。
    「……ロ……モン……ッ」
    「ウァプラ!」
    目を開けるとそこには走って戻ってくるソロモンがいた。
    「……なにしてやがる……」
    「幻獣が話に聞いた通り弱いから、俺は戻ってきたんだ。何かあれば俺を呼ぶことにしてさ。それに」
    ソロモンは顔を少し赤らめながら照れくさそうに笑った。
    「ウァプラの、そばにいたくてさ」
    「チッ……」
    ウァプラはソロモンの腕を引き寄せると強く抱き締めた。
    「ウァプ」
    言い終える前に口を塞ぎ、貪るように口内へ侵入した。
    熱を移すように舌を絡ませ、腰を引き寄せた。
    「戻ってくりゃこうなることぐらい分かってただろ。分かったらさっさと」
    「うん。だから、戻ってきたんだ」
    ソロモンはウァプラの背に手を回した。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💕💞🙏❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works