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    やか(ヤカ)

    いろいろ詰め込む用
    一次も二次も健全もエロも。メギドが多いかも。
    X(旧Twitter):@mooncross215

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    やか(ヤカ)

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    アモリリ。暗め。
    専用霊宝装備の二人が組み合わせ良いと聞いたので試してみたい。

    #アモリリ
    amorillo

    遠くない未来を夢見て握るアモンとマルファルは街に買い出しにでかけた。
    もともとマルファスが頼まれた買い物であり、アジトにいたアモンが誘われた。
    荷物持ちかと思えば、買い出しの内容はさほど多くもない。
    街に露店が並び、マルファスが店主と話をしている。その隣で一緒に話を聞き、たまに買い物した商品の合計金額を問われる。
    マルファスが連れ出した意図を察しながら、アモンは小さく答えた。
    正解だとにこやかに笑うマルファスから目をそらす。
    隣の店は装飾品を扱う店だった。キラキラした装飾品が並ぶ。
    その中で星空のように煌めくブローチが目に入った。
    煌めく星のように、どこか深い夜のような色合いは夢見の少女を思い浮かばせた。
    「……っ!」
    目に入ったブローチから彼女を思い出したことにアモンは頬が熱くなった。
    ふと、不用心にも荷物から手を離して地面に置き、露店の品物に釘付けになっている旅人に気付いた。
    (あれは……やられるな)
    暫く横目で見ていると案の定、物取りが旅人に近づき、荷物の一部を取って走り去っていった。
    油断している方が悪いのだと思いつつ、気が付けば走り出していた。
    星空の瞳の少女が頭をちらつき、見逃す気にはなれなかった。
    「アモンっ!?」
    マルファスの呼び掛けが遠くに聞こえると同時に泥棒だと悲鳴をあげる旅人の声が聞こた。
    物取りの足はそこまで早くなく、あっという間に追いつき、捕まえることが出来た。
    「悪く思うなよ」
    やがて旅人と自警団を連れてきたマルファスが追いついた。
    物取りは自警団に連れられ、荷物は無事に旅人の元へ渡った。
    「ありがとう!本当にありがとう!この中には亡き妻との思い出の品が入っていたんだ!」
    旅人は涙を流しながら安堵の表情を浮かべた。
    マルファスはアモンの肩に手を置いた。
    「御手柄だったな。良く周りを見てるよ」
    「そんなに大事なら離さず持っておけよ……」
    旅人の熱量に引きつつ、アモンは帽子で顔を隠した。
    「そうだ。少額だが受け取ってほしい。君は心の恩人だ」
    そう言って旅人はゴルドを袋に入れ、アモン渡すと何度も頭を下げて去っていった。
    「……どうすんだよ、これ」
    「アモンの行動で得た報酬みたいなものだから、アモンが好きに使うといいさ。さっきの店に荷物を預けたままだ。戻ろう」
    マルファスの後に続いて店に戻った。


    ****

    アジトに戻ると、リリムが広間のソファーに腰掛けていた。
    サキュバスやアガリアレプトは傍におらず、広間自体に人が少なかった。
    もしかしたら存在感の薄いリリムに気付いていないかもしれない。
    アモンはそっとソファーに近付き、リリムの横に座った。
    「アモン。おかえりなさい」
    「ただいま。ん」
    アモンは小さな袋をリリムに渡した。
    「くれるの……?」
    「ああ」
    リリムが袋から取り出すと、それは星空色のブローチだった。
    「きれい……」
    「街で見かけて、アンタの目みたいだと思って。別にいらなきゃ」
    「うれしい……」
    リリムの笑顔にアモンは顔を緩ませた。
    「あのね、アモン……」
    リリムは小さな袋を取り出し、アモンに渡した。
    アモンが中身を取りだすと、それはシンプルなデザインのブローチだった。
    「ここにキラキラしたのがついてて……アモンの瞳みたいで……」
    微笑むリリムにアモンは胸が締め付けられた気がした。
    「アモンが傍にいる気がして買ったの……このブローチ……」
    「じゃあアンタのじゃねぇか」
    「うん。でも、わたしはアモンからもらったのがいい」
    アモンは深く帽子をかぶった。
    「二つともアンタが持ってろよ」
    「アモンにも持って欲しい……」
    「じゃあたまに交換したらどうだい?」
    背後から聞こえた声にアモンとリリムは振り返った。
    そこにはニコニコと笑顔を浮かべるバルバトスがいた。
    「普段はリリムがリリムブローチを、アモンがアモンブローチを持っていて、任務とかで長く離れるときは交換すれば傍にいる感じがでるんじゃないかい?」
    バルバトスの提案にリリムは目を輝かせ、アモンを見た。
    「……好きにしろよ」
    「うん。じゃあ今は一緒にいるから、アモンがアモンブローチ」
    「名前はどうにかならねぇか」
    アモンは苦笑を浮かべたが、リリムの笑顔につられて微笑んだ。

    ****

    「アモン……」
    リリムはゆっくりと手を包み込む。
    星空のブローチをその手に握らせた。
    「これで傍にいられるよ……永く離れちゃうけど……」
    リリムは自身のケープにつけているシンプルなブローチを握り締めた。
    「夢から覚めて……って言わないよ……」
    リリムはゆっくりと目を閉じた。
    「おやすみ、アモン」
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