顕現して初めて主に会った時、…あぁ、俺は関わらない方がいいって直感的にそう思った。何故だかはわからない。
ただ、真っ直ぐ俺を見る主の瞳が苦手だった。
主には極力近づかない様にしたが、そうは言っても使われないことには顕現した意味がない。主からの指示はそつなくこなし、その度に必要最低限の会話のやり取りはした。やはり主の瞳が見れなくて常に視線は主の足元にあったが。
顔が見れない分、声や雰囲気で主のことが何となくわかる様になった。数ヶ月共に過ごしても未だ視線を合わせない俺に主は時折悲しそうだった。
そんなある日、俺は部隊に選ばれ出陣した。遡行軍を倒し、歴史を守る。正しい歴史になる為に消えゆく命から目を逸らさずに。
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