現代遠征が決まった部隊。各々準備をする中、山姥切国広が豊前江に声をかけた。
「豊前、これを見ろ」
「お、なんだなんだ?」
こそこそ何かを見る2人。
「これは行かねぇとな!…だけど許可おりるか?」
「あぁ。この作戦でいけば問題ないはずだ」
耳打ちで作戦を伝え、国広と豊前は無言で頷いた。
「清光、話がある」
「なーんか話してると思ってたけど、どうせ食べ物のことでしょ?俺が興味持つかな?」
「ふ…あいにく今回はこちらに分がある。」
「加州もこれ見たらそんなこと言ってらんねーぞ?」
そう言って2人が見せたのは、雑誌のデカ盛り特集のページ。そこには色々な大盛りされた食べ物が載っていたが、国広はその中から特大パフェを指差した。
「このぱふぇを食べに行きたい。」
「…ふーん。確かにパフェを選ぶっていう目の付け所はいいんじゃない?…でも爪が甘いよ?俺はデカ盛りに興味はないんだよねー」
「いや、特大ぱふぇは俺と豊前で食べる」
「え、正気?」
「で、この店を調べたら清光が好きそうなかわいいのもあってな。映え?ってやつだ」
「俺もさっきまんばちゃんに見せてもらったんだけどな、他の本丸でも話題になってるらしーぜ」
そう言って豊前は加州に部隊に渡されている連絡用の機械を見せる。そこにはかわいく盛られたパフェと写真を撮る他の本丸の刀剣達。
「…確かに、これは可愛いし撮りたいっ…」
加州を仲間にした2人は、白山に声をかける。
「白山、ここには西瓜や甜瓜、南瓜のぱふぇもあるらしいぞ」
「!瓜…!」
珍しく目を輝かせた白山を仲間にし、4人は次へ声を掛けようとしたのだが。
「…ほう。花火が刺さったものもあるのか」
いつのまにか雑誌を覗き込んでいた七星剣。意外にも興味を持ったらしい。
「おっ、七星剣も乗り気か?」
「あぁ。なんだか面白そ…こほん。たまには綺羅星達に付き合うのも契約のうちだ」
「(…前から思ってたけど、ここの七星剣の契約ふわっとしてない?取っ付き易くていーけど)」
「(個体差ってやつなんじゃねーか?)」
こくこくと頷く白山。
「…さて、あとはラスボスだけになった訳だが。」
「誰がラスボスだ。あと不可。」
「くっ…さすが本科、話が行き届いているとは…手強いな。」
「いやさっきからずっと同じ部屋で待機してるんだから聞こえてるに決まってるだろ」
立ちはだかる最後の難関。果たして国広達は長義を丸め込み、パフェを食べに行くことができるのか。
(※なんだかんだあって、結局みんなでお店行って写真撮って食べました。)