Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    hatori_tks

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    hatori_tks

    ☆quiet follow

    高佐結婚本に入れようと思っていた、佐藤さんが有美さんに結婚報告をする話の一部。
    いつ書き上がるか分からないから、チョロだし。
    セリフとか完全に練れていない。

    親友の結婚 美和子はコーヒーを一口飲んでカップを置くと、一呼吸置いた。
    「由美、私、高木君と結婚することにした」
     すこしはにかんだその笑顔は柔らかく、意思の籠った優しい音がじわっと私の心に沁み込んだ。
    「よかったわね」
     考えるよりも先にその言葉が出てきた。
     ぐっと目頭の熱さを感じると、途端に溢れた。
     湧き上がる感情が形になる前に流れ出ていく。
     顎を伝う冷たさに自分が泣いていることを認識した。
     心からの安堵と、少しの寂しさが混じっている。
     慌てて紙ナプキンで目を押さえてから、その時作れる最大の笑みで言った。
    「おめでとう、美和子」
     言っているそばから口元が歪んで、また溢れ出てきてしまった。
    「やだ、もう恥ずかしい、全然止まんない」
     美和子と高木ならいずれ結婚する未来は予想がついていて、何も驚くことはない。
     ただ、お互いに結婚の意思を固め家族になることを決めたことが嬉しかった。
     松田陣平との鮮烈な別れ。彼女の人生に大きな影を落とし、その暗闇の中をなんとか生きる彼女を見てきた
     ずっと心配だった。神がこの世にいるというなら、なんで美和子ばかりこんな目に合うのだと理不尽に思っていた。
     その彼女が今心から笑えているそれだけで嬉しくて、仕方がない。

    「美和子、いま幸せ?」
    「うん。今までもずっと幸せだったわ」
     彼女が自分の幸せを肯定しきる姿に、また涙が込み上げてきそうになった。
     
    「由美……いつもありがとう。由美がいなかったら私、ここまでこれなかったと思う」
    「私、何もできていないよ」
    「そんなことないよ。勝手に思い詰めて突っ走る私をいつも引き留めてくれていたじゃない」
    「あんたのイノシシっぷりはいつもみていて心配になるのよ。自覚していたのね」
    「最近ようやく気付いた」
    「あんたね」
    「これからもさ……私が何かに迷ったときに、そばにいてくれる?」
    「そんなの迷ってない時もそばに居てやるわよ」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍😍😭👏👏😭👏👏☺❤❤💖😭🙏👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    創作部部誌班

    DONEタイトル:不純異族交友
    作者:智紫国基
    テーマ:海辺の縁日
    今年のテーマ「海辺の縁日」を舞台に書いた小説です。ちょっと不思議な出会いと友情の物語。
    不純異族交友
    智紫国基



     目を開くと、そこは、真夏の海辺だった。



    「────、は?」
     いやいやいや、ちょっと待ってくれ。海辺だった、じゃない。
     俺はついさっきまで塾にいた。そう、普通に、どこにでもいる高校生のように。数学の授業を受けてて、少し眠くなって来たから一度目を閉じて、先生にバレる前に起きなきゃと思って、ちょっとの罪悪感と共に目を開いて。
    「………夢じゃ、ない」
     何度目を擦っても、頬を抓っても、やたら難しい数式が並んだ黒板もハゲた講師も、眠たそうな同級生も現れない。
     俺が立っているのはやっぱり白い砂浜で、眼前に広がるのは青い海と雲ひとつない晴天。あとそろそろ頬が痛い。
     どうやら、本気で俺はどこかの海にワープしてしまったようだった。

     これ、帰れんのかな。つーか、どこだここ。
     とりあえず歩き回ってみてわかったのは、ここは俺の知っている近所の海岸でも、一度だけ家族で訪れたことのある南の島でもないということ。
     おまけに誰もいない。広い砂浜には俺一人だけ。建物もない。海水浴場ではないのだろうか。私有地? まさか、未踏の海岸だなんて言わないよな? 地球じゃないと 6750