炭酸水ピッコロさん夢①
キッチンから激しくむせ込む音が聞こえ心配して様子を見に行った。
「大丈夫ですか?」
うずくまり、むせ込み続けている緑の主に声をかける。
「あっ、ゔぇっ、ごえっごほっ!」
返事をしようとして更にむせ込み、涙目になっている彼の背中をさする。
「ピッコロさん、一体どうしたんですかっ」
むせ込みつつも手に持っている飲み物を見せてくれた。それは私がいつも飲んでいる炭酸水だった。
「ごほっ!水じゃないのかっ!?」
「あーそうなんですけど、それには炭酸が入っているんですよ。」
「はあ。よくこんな物が飲めるな。」
「結構美味しいですよ。」そう言いって落ち着いた彼に炭酸じゃいない水コップに入れを渡した。
「でも、なんで飲んだんですか?」
「あー…それはだな。」
口ごもる彼の頬が赤みを帯びていき、耳の先まで真っ赤になってしまった。
「普段お前が飲んでいる物が気になったんだ。好きな奴がどんな物を飲んでいるかを気になって悪いか…?」
語尾が小さくなるにつれ、茹でたこのように頭まで真っ赤になっていく彼を見て、こっちまで赤くなってしまう。
「…何でお前まで照れているんだ?」
「だって、ピッコロさんの顔が赤いしそれに…興味あったんですね。その…」
恥ずかしさのあまりそっぽ向いている彼に話しかける。
「私は嬉しいですよ。好きな人と同じ物を共有できるの。だから、ピッコロさんが炭酸水が飲めるようになると…嬉しいです。」
彼は持っていたコップの水を飲み干し、飲み掛けだった炭酸水を再び飲んだ。今度はむせ込まずに。
終わり