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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    22世紀蕎麦屋のタイカケ。
    設定は9割捏造。6歳差。

    今日はタイガくんの成人式。高校の同窓会に参加していたタイガくんを迎えに行った帰り道、赤信号で停車した時にちらりと横を見た。お酒のせいかほんのり顔を赤くした袴姿のタイガくんが妙に大人っぽく見えた。
    「なんだか感慨深いなぁ」
    「あ?」
     ポツリと漏らした言葉に、タイガくんは不思議そうに首を傾げた。
    「いやぁ、タイガくんもいよいよ成人式か、と思ってね」
     あの小さかったタイガくんが。おねしょしたのを必死に隠そうとしたタイガくん。小学校の入学式の日、僕が中学に上がって一緒に学校に通えないと知って号泣したタイガくん。初めて作ったお蕎麦を僕に食べさせてくれてお蕎麦屋さんになると誓ったタイガくん。高校の卒業式の日、第二ボタンを僕に俺にプレゼントしてくれたタイガくん。
    「なにしんみりした顔してんだよ」
    「だってぇ。いつの間にか大人になっちゃうんだもん」
    「いつの間にかって……ずっとそばで見てただろ?」
    「それは、そうなんだけど……近くにいたからこそ気付かないことってあるじゃん」
     小さいころからずっとそばにいたから、いつまでもタイガくんを子供みたいに思ってたけど、もうちゃんと大人なんだよなぁ。
    「帰ったらすぐ、袴のお手入れしなきゃね」
     タバコの香がほんのりする。タイガくんは吸わない筈だから、誰かのものがついてしまったのだろう。
    「あー。でも眠い……」
    「じゃあ、帰ったらすぐ脱いでお風呂入っちゃいな。僕がお手入れしておくから」
    「えー……」
     なぜか不満げなタイガくん。だって、とかでも、とかぶつぶつ言っている。そうこうしているうちに信号が青になり、僕はゆっくりとアクセルを踏んだ。車が緩やかに動き出したその時、タイガくんははっきり言った。
    「俺、今日こそカケルのことちゃんと抱きたい」
    「っ!?」
     思わずブレーキを踏みそうになった。動揺して安全に運転出来なさそうだと思った僕は、路肩に停車して深呼吸をした。タイガくんの方を見ると、熱いまなざしが真っすぐ突き刺さった。
    「タイガくん、今……」
    「大人になったら、ってさ言われて俺、ずっと、我慢してた。誕生日迎えて、二十歳になった時も、抱きたかったけど、いざとなると勇気出なくて……」
     タイガくんの高校卒業と同時に交際を始めた僕たちだけど、まだキス以上のことは出来ていない。えっちは成人してから、と言って我慢させていた。最初こそタイガくんはえっち従っていたけど、最近何も言わないからもうそんな気無いのかと思ってた。
    「だけど俺、覚悟決めた。初めてだしカッコ悪いかも知れないけど、カケルを抱きたい」
    「タイガくん……」
     本当は僕だって、抱かれたかった。ずっと待ってた。でも、いざタイガくんが成人すると怖くなった。自分の全部をさらけ出して、タイガくんが引かないか不安だった。でも、こんな目で僕を見つめるタイガくんを見たら、どんな僕でも受け入れてくれるような気がしてきた。
    「僕、も……抱かれたい」
    「カケル……」
    「え、と、とりあえず、タイガくんち帰ろっか……」
     僕らはその後、無言のままタイガくんの家に帰った。
     家に着くまでの間、隣の「男の子」がやけに大人に感じで、僕は不思議な感覚のままタイガくんのお布団に沈んだ。袴、しわになっちゃうな、なんて考えられたのは数秒間だけ。部屋の机に置かれた写真立てに収まる子供の頃の僕とタイガくんと目が合って、無性に恥ずかしくなった。
     すぐに視線をタイガくんに戻すと、すっかり成長した彼がいた。
    「カケル、優しくする」
     いつの間にか成長していたタイガくんに、僕はまた改めて恋した気がした。
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    TRAINING154日目 1352文字
    付き合ってないタイカケのデート
    今日は天気もいいし、比較的暖かい。気持ちがいいな、と思い窓を開けて外を見るとちょうどタイガきゅんが玄関から出て来た。
    「あ、タイガきゅーん! どこ行くの~?」
     呼び止めるように声を掛けると、タイガきゅんはピタリと足を止めた。くるりと振り返ったタイガきゅんは、どこか嬉しそう。何かいいことでもあったのかな?
    「天気いいし、散歩。おめぇも行くか?」
    「え! いいの!?」
    「ダメなら聞かねぇよ。どーすんの?」
    「行く!」
     まさかタイガきゅんから誘ってくれるなんて、思わなかった。スマホとお財布だけを手にし、部屋を飛び出した。外に出ると、タイガきゅんは穏やかな笑顔で立っていた。あんな顔するんだ。
    「よし、行くぞ」
    「うん!」
     俺たちは並んで、温かな陽気の中歩き出した。

     公園に着くと、子供たちをはじめ、老夫婦や若い恋人までいろんな人でにぎわっていた。移動販売の車では、スイーツや軽食を販売していて、俺たちも軽食を手にベンチに腰かけた。
    「ん、おいしい!」
    「こっちも美味い」
     俺はソフトクリーム、タイガはフランクフルトを買った。甘いものを食べてると、しょっぱいものも食べたくなるんだよね。俺も 1422

    オルト

    TRAINING付き合ってるタイカケ。初夜まで道のり通そう。タイガきゅんとお付き合いを始めて早三か月。そろそろ、キス以上のことがあってもいいんじゃないかと思っているんだけど、全然そんな気配はない。俺が一生懸命それらしい雰囲気を作っても、タイガきゅんには全然効いていない。ベッドに座って寄りかかったら、「眠いのか?」なんて聞かれるし、じっと上目遣いで見つめたら「何ガン飛ばしてんだよ。怖くねーけど」とか言われるし、二人きりの部屋で服を脱ごうをしても「暑いのか?」だって! 意気地がないのか、純情すぎるのか……。そりゃ、俺だってキスだけでもすっごくドキドキしちゃうけど……!
     いったいどうしたらタイガきゅんはその気になってくれるだろう? いっそ、正直に先に進みたいと言うべきか? いや、そもそもタイガきゅんはこの先を知ってるの? 俺だって最近調べて知ったのに?
    「うーん……どうしたもんかにゃ~」
     ネットの海で自分と同じ状況の人を探しても、ぴたりと一致する人はいない。それでも、恋人に仕掛ける方法はいくつか見つけられた。
    「何事もものは試しだよね」
     俺は「準備」をすべく、引き出しに仕舞っていたいたローションとゴムを手にトイレへと向かった。

    「ねぇね、タイ 1207