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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    22世紀蕎麦屋のタイカケ(6歳差)
    22世紀のタ、何百回でもプロポーズして欲しい。

    「カケル! なぁなぁなぁ!」
    「なぁに~?」
    「なぁ、こっち来て! 俺の部屋! 遊ぼ!」
    「食べ終わってからね~」
     カケルはへらへらして蕎麦を啜った。カケルがおれんちの蕎麦好きなのは嬉しいけど、自分が蕎麦に負けたみたいでなんか悔しい。
     俺はカケルの向かい側に座って、カケルを観察する。もうすぐ閉店の時間で、店の中にはカケルとカウンターに座るオッサン、片付けや明日の仕込みをしている父ちゃんだけ。あぁ、いっそ俺とカケルの二人きりだったらいいのに。
    「ん~おいし」
     カケルはいつも蕎麦と一緒に玉子焼きを注文する。凄く好きらしい。
    「そうかよ。おめぇ、ホント好きだよな」
    「うんっ! だ~いすき!」
     笑顔でそう言うカケルはめちゃくちゃ綺麗で可愛い。この笑顔をずっと傍で見ていたくて、俺がこの笑顔を守りたくて、前からカケルに「俺と結婚してくれ!」って言ってるのに、「まだ結婚出来る年齢じゃないよ」「大人になったらね」と笑って言われて誤魔化されている。確かに、まだ結婚出来る年齢じゃないってのはもうわかる。だけど、せめてコンヤクするとか、コイビトになるんなら、大人じゃなくても出来るだろ? カケルの持ってる漫画だって、子供がコイビト同士になってるし。
    「タイガくん、見すぎ~」
    「いいだろ、別に」
     明日で俺は十歳になる。二十歳から大人になるらしいから、俺はもう半分大人だ! だからもう、大人の仲間。つまり大人……! もう、明日は断らせないぞ!
    「タイガくん、ニヤニヤしてどうしたの?」
    「べ、別に……! ニヤニヤなんかしてねぇし」
    「そ?」
     へらへらしてたらカッコ悪い。ビシッと決めて、明日は大人っぽくプロポーズだ!
     そうだ、昼のうちに、校庭に咲いてるシロツメクサで指輪を作ろう。俺はカケルの手を取って左手の薬指を握ってサイズを覚えた。カケルは不思議そうな顔をしてたから、多分気付いてない。
     明日、びっくりするカケルの顔が楽しみだ。
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