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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    付き合ってないタイカケ。
    寝ぼけているか、寝ぼけたフリかは、ご想像にお任せします。

    何でもない休日の午後。暖房の効いたぽかぽかの部屋。まだほんのりと温かいココア。お気に入りの漫画の新刊。そして……。
    「……んがぁっ」
    「ふふっ」
     俺のベッドで大の字になって眠るタイガ。全てが俺の幸せを作っている。
     つい一時間ほど前、俺の部屋にやって来たタイガは俺が漫画を読んでるのを見ると、邪魔しないように気を遣ったのか黙ってベッドに寝転んだ。そして、その五分後にはいびきをかいていた。他人のベッドで即眠れるタイガって、本当に凄い。
    「俺のこと信用してくれてるってことかなぁ?」
     漫画を閉じて、俺はベッドの端に腰かけた。少しだけベッドが沈み、その振動でタイガ前髪が揺れた。きちんとお手入れしているわけでもないのに、意外とさらさらストレートなタイガの髪を、羨ましく思うこともある。
    「ほーんと、なんでこんなに綺麗なのかにゃあ?」
     肌だって、俺やレオきゅんが無理矢理化粧水や乳液をつけているけど、逃げられる日が殆どで、それなのに全然カサカサしていない。
    「うーん、やわらかほっぺ」
     起こさないようにそっとタイガのほっぺをつついてみる。むに、と俺の指が食い込む。
    「はぁ~。ぷにぷに。吸い付きたくなっちゃう……」
     かわいいほっぺにキスがしたくなって、そっとタイガの頬に唇を近付けた。でも、寝てるのにこんなことするなんて、よくないよね、と思って顔を話したその時。寝ていると思っていたタイガが口を開いた。
    「しねーの? キス」
    「た、タイガきゅん! 起きてたの?」
     心臓が跳ねて口から飛び出しそう。起きてるなら言ってよ! 俺は一人で恥ずかしくなった。
    「しねーんなら、俺からするけど」
    「へ?」
     タイガはそう言うと身体を起こして、俺の頬に手を添えた。眠そうなとろんとした目が、俺を捕える。タイガってば、寝ぼけてるの?
    「た、いが……」
    「目、閉じて」
    「っ……」
     俺は言われるがまま目を閉じた。次の瞬間、唇に柔らかい感触。あぁ、俺、タイガとキスしてる。ドキドキして幸せで、苦しい。タイガも、俺のこと、好きなのかな……?
     ほんの数秒触れ合って、タイガの唇はすぐ離れていった。
    「タイガ……」
     目を開けると、タイガはやっぱりぼんやりした表情で俺を見ていた。
    「カズオ、キス、きもちーな……」
    「え、あ……」
    「んん……」
     俺が答えに迷っていると、タイガはかくんかくんと船をこいで、こてん、とベッドに倒れてしまった。
    「え、なに、もしかして……寝ぼけてキス、したのぉ?」
     がっくりと項垂れたけど、唇に残る感触は忘れられなくて、俺はタイガのすぐ隣に寝転んで枕に顔を埋めた。
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