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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    付き合ってないタイカケ

    今俺は、試されているのかもしれない。

     出張から帰ってきたカケルが、俺に写真を見せながらああだこうだ語る。道中で見つけた猫の写真とか、どっかの風景とか、食べたものの写真とか。
     カズオが見て来たものを見られるのは嬉しいけど、俺はどっちかって言うと久しぶりに見たカズオの姿を堪能したいので、その小さな画面を早く閉じて欲しい。
     ちらりと視線を送っても、カケルはその小さな画面に夢中で、全然俺の方を見てくれない。
     まぁでも、カズオが楽しそうに話しているのだから、中断するのも気が引ける。俺はカズオの言葉に耳を傾けながら、写真を眺めていた。
     そうしたらだんだんカズオの口数が減って、どうしたのかと思って見たら、すぅすぅ眠ってた。
     疲れてたんだな。
    「ん……」
    「!」
     カズオがこてん、と俺の方に倒れてきた。後ろに倒れないように、俺はそっとカズオの肩に手を伸ばして支える。シャンプーの匂いなのかなんだかわかんねぇけど、カズオからはいい匂いがしてくる。
     チャラチャラした寝間着の隙間から見える肌は、こうしてみるとエロい。風呂場で見る時は何ともないのに……!
     触れたい。きっと、触り心地がよくてあったけぇんだろう。
     そう思ったらもうダメで、慌てて違う事に頭を使おうとする。何か難しいこと考えろ! そう思うものの、そもそも俺は難しいことを覚えてないから考えられない。
     カズオから視線をそらし、目の前のカヅキさんのポスターを見る。
    「カヅキさん、俺、卑怯な真似はしねえっす!」
     憧れの人に誓いを立て、カズオをそっとベッドに横たえさせ、毛布を掛けてやった。危ないから眼鏡も外してやる。
     触りたくて仕方ないけど、そういうのはちゃんと交際申し込んでからだ。まだ、ダメだ。
     反対側のベッドに入って、カズオを眺める。触りたいけど、触らない。カズオには。
     でも、このくらいなら、許されるよな?
     俺は音を立てないように、そっとズボンの中に手を突っ込んだ。
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