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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    200日目 1033文字
    無自覚両片想い

    「たーいがきゅんっ!」
    「……なんだ、おめぇもサボリか?」
     昼休みの少し前、校舎裏の人通りの少ない木陰で昼寝をしてたら、テンションの高い声に起こされた。
    「やだなぁ、真面目なおれっちがサボリなんてするわけ無いでしょ」
    「普段は自分の真面目なとこ否定してるくせに」
    「う……そ、それはおれっちのキャラづくりであって……」
     急にたじたじになるカズオは、見ていて面白い。カズオは、真面目な部分について言及されるとこうなる。だから俺は、時々こうしてカズオを揶揄ってしまう。
    「ま、なんでもいいけど静かにしろよ。せんせーにバレんだろ」
     俺は身体を起こして一つ伸びをすると、寝ていた足元のところに座りなおした。
    「おめぇも座れば?」
    「あ、うん」
     空いたスペースをポンポンと叩くと、カズオは鞄を抱えて座った。
    「タイガきゅん、いつもここにいるの?」
    「まぁ、だいたいここ。つーかおめぇなんでこんなところ来たの?」
    「んー? タイガきゅんのことだからサボってると思って探してたんだ。おれっちはさっき会社から学校来たんだけど、もうこんな時間だから午後の授業から出ようと思って」
    「やっぱサボリじゃん」
     俺がそう言うと、カズオはちょっとムッとした顔をして、「サボリじゃなくて、正当な理由のある遅刻です~」と言った。それにしても、なんでカズオは俺のいる場所がわかったんだ?
    「あ、なんで『俺がここにいるのわかったんだ?』って顔してる」
    「……エスパーかよ」
    「違うよ~。ただのプロファイイング。タイガきゅんの性格とか、今日の天気とか、時間とか、そういう情報からここに居るんじゃないかって、推測したんだよ」
     なるほど。周りをよく見てるカズオらしい。見透かされてるって言うのはちょっと嫌だけど、俺のことをよく見てくれているんだと思うとそれはそれで嬉しい。
    「なにニヤけてんの?」
    「は、はぁ?!」
     俺は慌てて口元を隠す。カズオの方を見ると、カズオもニヤニヤしていた。
    「おめぇだって、ニヤニヤしてんじゃねーか」
    「だって、予想通りタイガきゅんがいて嬉しかったんだもん!」
    「っ……」
     あったかくて眩しい笑顔で言われて、なんだかすごく胸が、熱い……。
    「じゃ、じゃあ……遅刻してくる日は、俺のいる場所探して来いよ」
    「えぇ~? ちゃんと授業出てよ~」
    「おめぇがあと三回連続で当てられたら、出てやってもいい」
     俺が提案すると、カズオは乗ってきた。授業には出たくないけど、俺のことは見つけて欲しい。
     矛盾した気持ちを抱えながら、俺は明日はどこでサボろうか考えた。
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